伝えたいのは、志積という漁村の風景・風土・文化。
小浜市の北東にある志積(しつみ)集落。目の前に広がる若狭湾の青色と、背後に広がる山々の豊かな緑がとてもきれいな漁村です。そんな志積の“暮らしそのもの”を楽しんでもらうための拠点が『海のオーベルジュ志積』です。
部屋の窓から見える、どこまでも続く水平線。波の音に包まれながら絶景を独り占めするのも良いですが、この場所の魅力はそれだけではありません。遮るものがない空と海を染め上げる夕焼けのグラデーション、凪がもたらす本物の静寂、暗闇に響くフクロウの鳴き声……。堪能すべきは、この地に暮らす人々の隣に当たり前にある風景です。
昼の野山にも夜の海にもぎっしり詰まっている「はじめまして!」な体験の連続に、五感は常にフル稼働に。モノクロだった知識が鮮やかな色を帯びた実感に変わっていく充足感に、心地よく満たされていくことでしょう。
その奥深さに魅了されたリピーターも増えており、関西・中京圏に加えて、近年伸びているのが県内嶺北地方からのゲストなのだとか。「旦那さんなどご家族にお子さんを預けて“今日は一人を満喫する日!”と来られる女性も多くいらっしゃいます」と、スタッフの岡本さん。志積ステイで感じる一つひとつが印象深く、心地よい体験であることの証です。
漁村が育んできた食文化に、粋な遊び心を効かせて。
こちらのオーナーは、現役の蛸漁師。つまり、四季折々どの魚介が最も美味しいのかはもちろん、その日何が獲れそうか、獲れた魚をどう〆るべきかに至るまで精通しているということです。
小浜の魚介といえば若狭フグや若狭カレイ、若狭グジ(甘鯛)などがよく知られていますが、こちらで味わえる魚介はそれだけではありません。
「例えば、高級魚のキジハタ(アコウ)。若狭に来てキジハタなんて思わないでしょう?実はここら辺で時々釣れるんですが、それは小浜の人も知らなかったりするんです。でもこの辺の漁師達はいただいてきたわけですから、それも漁村の食文化のひとつ。だからといって、家庭料理風のままお出ししては面白くないので、シェフがフレンチやイタリアンのエッセンスを加えて期待を超えたお料理にして提供しています」と岡本さん。そこに嶺南の地酒を合わせて、この若狭地域を丸ごと味わうことで旨味も感動も増幅させています。
志積の漁師だからこそお勧めする素材を、幾重にも磨き上げたディナー。それを、若狭湾を一望するレストランでゆっくりと味わうひと時には、言葉にはできない至福が詰まっています。ディナーのみでの予約も可能ですが、ここはやはりご宿泊を。時間に追われず余韻まで十二分にご堪能ください。
過ごし方に合わせたスペース選び。
「海のオーベルジュ志積」には、2パターンのお部屋が用意されています。
ひとつは民宿をリノベーションした「ROOM KYUBEE」。和室タイプのこちらは、民宿の雰囲気をそのまま生かした昭和レトロな空間になっており、ご家族や気の置けない友達と一緒にという方におすすめのお部屋です。
もうひとつは「HOUSE SEN」。soraとnamiの2部屋があり、どちらもメゾネットタイプの貸切スタイルです。近隣の家や植生が借景となり志積ステイの臨場感を楽しめるnamiは、ワーケーションにも対応。1階のリビングからの眺めは、日常で疲れた心と頭をリフレッシュしてくれることでしょう。
そして、女性の一人旅にうってつけなのがsora。絶妙にコンパクトなサイズのお部屋は、まさに大人の隠れ家。窓から見える桜の木は、季節にはそれは見事な花を見せてくれるのだそう。空や海の青とのコラボレーションを、ぜひとも特別な空間でお楽しみください。
ネイチャーガイドに聞く、真の志積の楽しみ方。
こちらに訪れた際に、ぜひ参加していただきたいのがワークショップ。実はネイチャーガイドでもある岡本さんが、志積の自然の面白さをディープに案内してくれます。
「実際に外に出て、志積の自然に触れることで得られる生きた知識をもとに製作を行うので、出来上がりも、家に帰ってからのお手入れも全く変わります。皆さん目を輝かせて楽しまれていますので、ぜひ!」とお勧めするワークショップは4種類。
苔玉作り、コケリウム作り、キーリング作り、ビーチクリーンがありますので、興味に合わせてお選びください。
知れば知るほど一泊では楽しみつくせない「海のオーベルジュ志積」で体験するのは、地元の人々が大切にしてきた日々の生活。静かでありながら濃密なステイを求めている人に、ぜひ訪れていただきたいオーベルジュです。