美味しいものが気軽にあれこれ楽しめる。
2006年にオープンした『猿の盃』は、「ミシュランガイド北陸2021」でミシュランプレート(※)を獲得した“ちょっといい”居酒屋。片町という立地柄、仕事帰りの会社員を多く見かけますが、若い世代からも広く愛されており、確実に入りたいなら平日でも予約をお勧めする人気店です。
こじんまりとした入り口は一見敷居が高そうに感じますが、一歩入るとその居心地の良さにホッとします。テーブル20席、カウンター6席、個室2部屋と、入口からは想像がつかない広さに驚かされますが、毎日欠かさず起こすという備長炭の香りがこれから始まる時間への期待を高めてくれます。
※ミシュランの基準をクリアしているお店に与えられる評価
たくさんの笑顔が見たいから。
席に着いて驚くのは、メニューの豊富さです。店主の鈴木さんは「お客さんの要望に応えるうちに、気付いたら100種類を超えていましたね」と笑います。豊富なメニューの素材は、季節や味わいによって全国各地から取り寄せているのだそう。福井名物の厚揚げや鯖のへしこ、北陸の海の幸・がさ海老や白海老をはじめ、全国の名物・くえ刺しや馬刺し、鶏天などが並び、目移りすること必至です。中でも日本酒好きに堪らないのが、自家製のからすみといかの塩辛。店主が試行錯誤を重ねて作り上げた一品、ずらりと並ぶお造りメニューと併せてぜひご賞味ください。
これほどバラエティ豊かに並ぶメニューですが、実は価格の表記がありません。これだけで緊張してしまう人もいると思いますが、何とぞご安心を。多くのメニューが一品1,000円前後となっており、ハズレのない味わいをリーズナブルに楽しめるのは嬉しい限りです。お通しから美味しいと評判の店の実力、存分にご堪能ください。
地酒も名物酎ハイも。
やはり居酒屋で気になるのは、お酒の取り揃えです。『猿の盃』ではビールはもちろん、酎ハイ、ハイボール、ワイン、泡盛に至るまで幅広く提供していますが、中でも日本酒の充実ぶりには目を見張るものがあります。地元福井からは黒龍、梵、越前岬、常山、白岳仙など県民にも広く愛されている銘柄が並びます。美味しいと聞きつけた県外の地酒も取り入れるようにしているとあって、日本酒好きとしては目移りしないほうが難しいほどのラインナップです。また常連客の間で人気なのが、ガリ酎ハイ。その名の通りガリ(新生姜の甘酢漬け)入りの酎ハイは、生姜の爽やかさとさっぱりした飲み口がクセになると好評です。
気持ち良いスタッフの対応もあって、ついつい長居したくなってしまう『猿の盃』。舌の肥えた県民を満足させてくれる気軽な居酒屋は、出張などで来福した県外ゲストにもお勧めの名店です。