熱々ほくほく、焼き立て『もちパイ』をおもちかえり。
鯖江市の住宅街にある御菓子処『うさぎや』。越前市出身の江指さんが、東京六本木の和菓子屋で修業を積み、2004年にオープンしました。店名には、「小さな子どもからご高齢の方まで誰からも愛されるような、前へ進んでいくうさぎのようなお店に」との思いが込められています。
お店の一番人気は、和と洋の美味しい出会いから生まれた『もちパイ』です。バターが香る薄いパイ生地の中に、弾力のある羽二重もちと自家製あんこがぎっしり詰まってもっちり&サクサク。定番のつぶあん、栗入り白あん、ごまあん、チョコ、メープルに、季節限定のイチゴやサクラ、リンゴ、サツマイモなどが加わって、常時6〜8種類が並んでいます。
「なるべくできたてを味わっていただきたい」との思いから、大量に作り置きはしないそう。事前に連絡を入れておくと、来店の時間に合わせて焼き立てを用意してもらえます。「焼き立てはもちろんおすすめですが、すぐに召し上がらない場合は、オーブントースターで2分ほど温めていただくと焼き立ての美味しさが味わえますよ」と奥さまはほほ笑みます。
こしあん派もつぶあん派も、大満足の自家製あんこ。
『うさぎや』は、厳選した北海道産の小豆を時間をかけてじっくり炊き上げた自家製あんを使用。「お客さまに新鮮で美味しいものを味わっていただきたいから」と、国産の小麦粉や質のいい玉子など良質な素材にこだわり、ひとつひとつ丁寧に手作りしています。
人気商品のひとつ『どら焼き』も、お店で一枚一枚生地を焼き上げています。自慢の自家製あんをたっぷり挟み、まるまるころんとした姿は、まるでドラえもんのマンガから抜け出たよう。つぶあん、オレンジこしあん、黒糖(つぶあん)の定番に、季節の限定品をプラス。オレンジピールと柚子を入れた定番のオレンジこしあんは、爽やかな風味にリピーターも多いそうです。
店頭に並ぶ『豆大福』と『草もち』も、午前中には売り切れてしまうことがあるのだとか。ずっしり入ったあんこは、『豆大福』にはこしあん、『草もち』にはつぶあんを使用。前日までに連絡すれば、こしあんかつぶあんか好みに合わせて選ぶこともできます
季節を訪ねて、定番を求めて、うさぎののれんをくぐる。
季節の風物に由来した期間限定の美味しさも、和菓子ならではの楽しみです。春は桜もち、柏もち、ちまき。夏はわらびもち、あべかわ、ゼリーなど。秋は栗きんとんに栗蒸しようかん、芋きんつば。冬は福井名物水ようかんに、いちご大福…。なかでもいちご大福は、数量限定販売になるほど大人気なので、予約必須です。
また、和菓子だけでなく巻きたてロールやシュークリームなどの洋菓子も並びます。シュークリームは、購入時にその場でクリームを入れる本格派です。うさぎ年にちなんだ『うさぎのしっぽ』という焼き菓子も計画中。店内では、通年でソフトクリームを、夏限定でかき氷を楽しめます。
ほっとひと息つきたいときにぴったりのお菓子が見つかる『うさぎや』。うさぎが描かれた赤い暖簾をくぐるのは、友達同士でやってきた女性客や老夫婦、学生、自転車で来た子どもたち。お話をお伺いしている間も、お目当ての甘味を求めに途切れなくお客さまが訪れていました。