海の幸にも山の幸にも合うキレあがりのいいお酒。
福井市のまちなかにある蔵元として知られる『常山(とこやま)酒造』。創業1804年(文化元年)の、福井の気候風土に合わせた「淡麗旨口」な酒造りに定評がある蔵元です。「海の幸も山の幸もある福井の食材に合わせた酒造りを考えたとき、あまい酒よりはキレ上がりのよい淡麗な、でありながら米の旨味が備わっているような新しい感覚の辛口を。」とは9代目の常山晋平さん。自分の代になってもその概念(カタ)だけは受け継いでいるそうです。
『常山酒造』といえば「常山(じょうざん)」。晋平さんの父・7代目が「その名がとどろくように」と立ち上げた代表銘柄です。その7代目が他界したのは晋平さんがまだ19歳だった時。その10年後に東京から帰福し、3年後には醸造責任者に。最初の年は不安で寝る間も惜しんで毎日のように蔵に行っていたそう。「今思えば無謀だったかも。でもその経験があって今がある。逃げ道をなくして結果よかった。」
代表銘柄「常山」と福井の海を感じる「玄達」「荒磯」。
「常山 純米大吟醸 特別栽培米 美山錦」は、美山地区で減農薬栽培された酒米を使用した、美山の自然を感じるやわらかい口当たりが特徴。フランスで開催されている日本酒コンクール”Kura Master”の「純米大吟醸部門」にて、2017年度・プラチナ賞、2018年度・金賞、2020年度・金賞を受賞。海外でも高い評価を受けています。
エレガントな香りと奥行きのあるお米の旨味を感じる「常山 純米大吟醸 特別栽培米越前山田錦」はJALファーストクラス機内酒にも採用された銘柄です。
福井の海を表現した「玄達」と「荒磯」は季節限定。夏の日本海をイメージした「玄達」は例年6月中旬の”玄達瀬”の解禁に合わせてリリース。”釣り人の聖地”と呼ばれる玄達瀬でとれる魚介に合うようなライトな飲み口が特徴です。冬の荒波をイメージした「荒磯」は、例年12月の中旬に発売。海が荒くなり魚の身もしまる冬の時期に合わせた、ドライな中にもジューシーなお米のうまみを感じる、日本海の荒波がはじけるような微炭酸です。
実は女性にも人気の「常山」で、おうち時間をぜいたくに。
「父が立ち上げ、先代である母と前杜氏から自分に引き継がれた『常山』の”あるべき姿”を、自分の代で思うような形にすることができたら。」と晋平さん。コロナ禍で改めて、毎年酒造りができることを当たり前と思ってはいけないと感じたそう。「お酒を通じて福井の人や福井に来る人を魅了していきたい。そのためには地元の方に愛してもらわないと。」
辛口として知られますが、実は販売店でも女性人気に定評があるという「常山」。福井の居酒屋や割烹店ではおなじみの、きりっとした「淡麗旨口」をおうち時間にプラスして楽しむのも贅沢です。