福井市の中心で、至福の越前がにを食す。
JR福井駅西口の真ん前で、日本海の旬の幸が味わえる『らでん』。ここは冬の味覚の王様 越前がにや四季折々の魚介類の卸売りを行う魚問屋『越前田村屋』が手掛ける料理屋です。
『らでん』がこだわる越前がには、多くの漁船で賑わう越前港で水揚げされたもの。暖流と寒流が交わる豊かな漁場で獲る日帰り漁のかには、他港より味も姿も上質でとびきり新鮮です。
かにの状態により30段階以上に選別された競り市で、長年経験を積んだかに職人が、甲羅が硬くぎっしり身の詰まった良質な越前がにを厳選。
その時々の大きさや状態に合わせて塩加減や茹で時間を調整し、越前がにの美味しさを最大限に引き出した茹でたての越前がにを提供しています。
「〝かに観十年、かに炊き一生〟という言葉があって、かには目利きができるまで10年かかり、満足に炊き上げるには一生かかるというほど難しいもの。本当に経験がないとできないんです」と語る店長の牧野裕子さん。
茹でたて熱々の越前がに、かに刺し、焼きがに、甲羅焼きに、雌のセイコガニが1杯ついたフルコースは至福の美味しさ。貴重な雄のズワイガニの最上級ブランド『極』から、毎年大人気の『セイコ丼御膳』ランチ(11月〜12月のみ提供)まで、予算や好みに合わせて越前がにを満喫できます。
「市の中心部で、これだけ新鮮な質と量をお出しできるのはここだけ」と胸を張る牧野店長。毎年11月のかに漁解禁後は、県内外から越前がにの食通がこぞって訪れます。
職人のセンスで、旬の魚を一番美味しく提供。
生簀を設けた店内には、越前がにはもちろん年間通して毎日水揚げされる季節の魚介類が並びます。「毎年毎月、その時の旬のお魚をご堪能いただけます」と牧野店長。
切れ味鋭い越前打刃物の包丁を使い、職人の経験と勘で魚種や状態にあった捌き方や調理を施し、一番美味しく味わえる献立に仕上げているのだそう。「お造り、焼く、煮る、揚げる。活きのいいお魚をどうお出しするかは、やっぱり職人さんの微妙なセンスにかかってますね」。
「駅から歩いて行ける越前海岸」ともいえる『らでん』は、福井ならではの美味しい魚の宝庫です。
ぷりぷりでとろりとまろやか、お腹に青い粒状の子を付けた特別な『甘えび』。浜風で一晩干すことで魚のうま味を凝縮した、のどぐろや越前かれいの『一汐干し』。越前若狭に古くから伝わる、米ぬかで漬けた自家製の『鯖のへしこ』など。
獲れたて新鮮な美味しさから、先人たちの知恵が詰まった発酵食まで、魚の醍醐味を満喫できます。
「献立はお魚が中心にはなりますが、和牛ステーキなどのお肉料理や、福井産の季節のお野菜も取り揃えています。お客さまのお好みで楽しんでいただけたら」とほほ笑みます。
いつでも帰ってきたくなる、故郷のような場所。
JA福井駅の正面に位置する『らでん』には、県外の観光客をはじめ、帰省した地元客、ビジネスでのおもてなしなど、老若男女さまざまな人が訪れます。そうしたお客さまをお出迎えする店内は、越前和紙の壁紙や今は採掘されていない笏谷石などを用い、「いつでも帰ってきたくなるような場所」として故郷 福井を感じさせるものになっています。
「店構えからか少し敷居が高いと思われる方もいらっしゃるのですが、1回来ていただくと『そんなことないね』と笑顔で帰られます。県内外のリピーターの方も多く、最近は海外からのお客さまも増えましたね」と牧野店長。
そもそも「らでん」の名称は、「福井に暮らす人、旅する人をほっとさせるおもてなしでお迎えし、真心込めたお料理とサービスの中に、さりげなく輝きを放つお店でありたい」という願いに由来します。
仲間と集い、まるで魚河岸に来たかのような新鮮な魚に舌鼓を打つ。落ち着いたカウンターで、職人の技を眺めながらしっぽり日本酒を味わう。個室で、久しぶりに揃った家族とワイワイ美味しいものをいただく。どのシーンも、日本海の恵みと、それを引き立てる匠の技、心遣いに満ちたサービスが息づき、光の加減で多彩にきらめく宝石「螺鈿」のような、やさしく忘れられない輝きを放っています。