福井の茶畑で、香り豊かなお茶を作ったお店。
『お茶の金津屋』の起源は、貞享2(1685)年にまで遡ります。初代が、現在の福井県あわら市金津地区にお茶畑を営んだことが始まりでした。香り高いお茶は評判を呼び、越前藩主・松平家と曹洞宗大本山永平寺から御用達を拝命しました。
「現在は県内での茶葉の生産は行っていませんが、厳選した京都・宇治の茶葉を使った質の高いお茶を提供し続けています」と、11代目の樹下恵太さん。
「福井の人は甘めで濃い味のお茶を好む傾向がありますね。そういう福井の人の好みに合うように、茶葉をブレンドして提供しています。」300年以上の時を経てもなお、お客様にお届けするものへのこだわりは変わっていません。
こだわりのお茶は甘く、深い。
煎茶、番茶、かりがね、玉露、抹茶など、多様な種類の取り揃えがある中で一番人気なのが、金津屋銘茶『緑光』です。これは、玉露とかりがね(煎茶・玉露の製造工程で出る茎や葉脈部分が入ったお茶)を独自の配合でブレンドしたオリジナル商品。口に含んだ瞬間に華やかな香りが広がり、それを追いかけてくる甘味とコクが心地良い、一杯の満足感が非常に高いお茶です。
「当店は裏千家や表千家など茶道家の方々にご利用いただくことが多いのですが、ある日一人の先生が“玉露とかりがねをブレンドしたら美味しいお茶ができるんじゃない?”と仰ったのがきっかけでした。低温のお湯で入れられるのも手軽だと好評をいただいております」と樹下さん。美味しいだけでなく手軽に飲めるとあっては人気が高いのも納得です。
お店には他にも豊富な茶道具や茶香炉、急須や湯のみといった茶器なども取り揃えられています。豊富な知識から的確に答えてくれますので、分からないことがあれば気軽に尋ねてみてください。
お茶を楽しむことは、毎日の質を上げること。
『金津屋』では、ジャスミン茶やマテ茶など日本茶以外のお茶も取り扱っています。季節によってはべにふうきのような限定商品もあり、折に触れてお店に足を運びたくなります。
「せっかく福井の片町に店を構えさせてもらっているのだから、この町に貢献できるようなことがしたいですね。ここは飲み屋が多いですが、例えばお茶割り。たかが緑茶割りかもしれませんが、ちゃんと淹れたお茶を使えば旨さは格段に変わります。そういうことを少しずつでも浸透させていけたらいいですね」と樹下さん。
ちょっとしたことが暮らしの質を上げることは、実はよくあること。まずは一杯のお茶から“良い暮らし”を始めてみませんか。