永平寺の自然を眺め、マインドフルネスな一杯を。
坂井市と勝山市をつなぐ県道沿いにある自家焙煎コーヒー豆店『COZY COFFEE』。豊かな山の緑を背景に、目の前には九頭龍川の眺望が広がります。地元で『鮎街道』と呼ばれる県道は、永平寺や福井県立恐竜博物館に向かう家族連れやカップル、ツーリングのライダーなどが行き交い、旅の途中で美味しいコーヒーを求めに店を訪れています。
オーナーの林浩治さんは50歳で脱サラし、6年前に妻の成代さんとふたりで『COZY COFFEE』を始めました。第2の人生の舞台に永平寺町のこの場所を選んだのは、子供の頃に訪ねた母親の実家がある「心の故郷」であることと、「この美しい景色に魅了されたから」と林さん。
「春は県道を舞う桜吹雪、夏は鮎釣りの人が佇む水面のきらめき、秋は真っ赤な彼岸花、冬は水墨画のような雪景色が広がります。ここに来られたみなさんは、四季それぞれの自然を眺めてマインドフルネスしていますね」と穏やかに語ります。
人気ブレンド『精進』&ノンカフェイン『浄め』。
スタイリッシュな店内には、コーヒー豆のショップとテラス席のあるカフェスペースがあります。ショップのショーケースには林さんがセレクトしたコーヒー豆が並び、日替わりで数種類の試飲が可能。テイクアウトもでき、お気に入りのコーヒー豆をその場で味わうことができます。
奥のカフェは、林さんが愛する貴重なイタリア車が置かれた、車好きにはたまらない空間。テラスで、室内で、好きなコーヒーを飲んで思い思いにゆっくりと過ごす贅沢な時間が流れています。
人気のオリジナルブレンド『精進』とノンカフェインの『浄め』は、禅の里 永平寺からインスピレーションを受けて生まれたものだといいます。「僕たちが作りたかったのは〝禅の里〟を感じることができるコーヒー。香りを楽しみ、一口を味わうとき、本当の自分に帰ることができる一杯です」と林さん。『精進』はコクと苦味があり、飲みあきない味わい。『浄め』はデカフェで、妊娠中の方なども安心してコーヒーを楽しめます。どちらも1杯540円(税込)。2021年には〝外国人が選ぶ日本のいいもの〟として『OMOTENASHI SELECTION』に選ばれています。
コーヒーと音楽、感動を味わうオリジナルラベル。
一方、若者を中心にSNSで話題となっているのが、通年で提供する『精進』のアイスコーヒー1杯640円(税込)なのだそう。コーヒーをそのまま凍らせたビジュアルは、インパクト抜群。「大人の遊び心が若者にもささったのでしょう。最後まで味わいが薄れず、コクが楽しめ余韻がいつまでも残ります」と林さんはほほ笑みます。
読み取るとオリジナルの音楽が流れるQRタグが印刷されたドリップパックも、オープン当初からのこだわりのひとつ。オーダーできるオリジナルラベルのドリップパックやギフトセットもプレゼントや引き出物などに好評で、県内はもちろん県外からのオンライン注文も多いそうです。
「感動を、どれだけお持ち帰りしていただけるかが大事。お店、商品、あるがままの姿での接客など、いつも新しい気持ちでのぞむことを大切にしています」と想いを語る林さん。日々、心を浄め、精進して、世界に誇れる一杯を追求しています。