それぞれの季節にあった、女性のための家庭薬膳。
多彩な店が並ぶ福井市高木中央にあるカフェ『Re echo』。店主の青山理恵子さんの「女性が自分の心と身体に向き合えるお店をつくりたい」という想いから、家庭薬膳・メディカルハーブティー・保健室カフェの3つをコンセプトに昨年オープンしました。
青山さんが手がけているのは、「病気になりにくく、健やかさと美を備えた体をつくるための家庭薬膳」。四季のある日本では季節ごとに身体に負担のかかる部分も変わるため、それぞれの季節の食材のもつ効能を活かしながら、負担のかかる部分を補っていくというメニューづくりをしています。
1日限定20食のランチは、春(青)・夏(赤)・秋(白)・冬(黒)と季節の変わり目にあたる土用(黄)という5つの季節と色をモチーフに考えられています。例えば、『肝』に負担がかかる春は、緑の野菜が多めのデトックスランチを提供。「家庭薬膳はまず美味しいこと」を前提につくられた5色+αのメニューは、どれもとびきりの味わいです。ごはんには福井県産コシヒカリの玄米に、美肌ケアにつながるハトムギをプラス。「薬膳は、その地でとれたものを食べることが大事。福井は食材が豊富でありがたいですね」とほほ笑みます。
オリジナルのハーブティーで、ゆっくりリラックス。
ランチでも提供しているメディカルハーブティーは、シニアハーバルセラピストの資格を持つ薬剤師が監修したオリジナルブレンド。ワイルドクラフトハーブを使っているので、安全性が高く、味も香りも極上です。美肌やアンチエイジング向けの『女っぷりを上げたい』、冷え症改善につながる『冷たい女と言わせない』など、わかりやすくユーモアのあるネーミングも好評だとか。
福井県産ナツメ入りの『薬膳チョコケーキ』や、福井の酒蔵の酒粕を使った『酒粕バナナケーキ』など、米粉を使ったノンバターのスイーツも人気。オリジナルのメディカルハーブティーは店舗で販売もしていて、オーツミルクといったオーガニックな食材も並びます。
店を訪れるお客さまは40〜70代の女性がメインですが、週末には若いカップルも来られるのだそう。心と体にやさしいメニューでゆっくりリラックスすれば、自然と元気が湧いてきます。
自分の体に向き合うきっかけをつくる保健室カフェ。
「女の人は妊娠・出産、子育て、仕事や親の介護に追われ、自分の体を見つめる時間がすごく少ない。どこかつらくても後回しにするところがあり、気づいたら体や心が病んでしまっている。そうならないよう、自分の体に向き合う時間をつくってもらえたら」という青山さん。
看護師の資格も持つ青山さんがお店を開いて一番やりたかったことは、「女性のための保健室カフェ」だといいます。これまでインスタなどで参加者を募り、助産師、看護師、整骨院の先生といった幅広い専門医をカフェに招いて、テーマごとにいろいろな話をしてもらいました。
「医療関係の方と直接話をする機会は、病院に行かない限りなかなかない。保健室カフェでの交流が、自分の体に向き合うきかっけになれば」と想いを語ります。開催は不定期で、コロナ禍でしばらく休んでいましたが、今年春から再開予定。「その中で、何か体験的なこともやっていけたら」と青山さん。女性にうれしい新しい取り組みが、またひとつ増えそうです。