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美めぐりふくい

大吉餅

福井の餅文化を今に伝える、こだわりの餅づくり

area:福井市
  • グルメ
information

大吉餅
【住所】 福井市松本2丁目2-2(地図
【TEL】 0776-22-3221
【営業時間】 7:30~18:30(日曜日は17:30まで)
【定休日:】 木曜日、第3水曜日(定休日が祝日の場合は営業)
【HP】 https://daikichimochi.com/

最終更新日 : 2024年9月9日

大吉餅

「朝づきの餅作り」を続ける、江戸創業の老舗餅屋。

福井市の中心部、江戸時代に栄えた北国街道沿いに、地元の人に愛される『大吉餅』があります。江戸時代後期に創業した老舗の餅屋で、店頭には月参りのお供えに使う『丸餅』や『赤飯』、『とぼ餅』をはじめ、福井名物『あべかわ餅』や人気の『大福餅』など多種多彩な餅が並びます。

「作り置きはせず、その日の朝に作った餅を販売すること。余計なものを足したり引いたりしないこと。そんな昔ながらの作り方を守っています」と胸を張る10代目の森淳一郎さん。早朝からその日の分だけ餅米をつく「朝づきの餅作り」にこだわり続けています。

餅米は粘りやコシの異なる福井県産のカグラモチとタンチョウモチの2種類を厳選し、配合を調整。杵の重さでしっかりつき上げる昔ながらの落下式餅つき機を用い、「その日の気温や湿度にあわせて、職人が水を含ませ餅を返す作業を繰り返します。つき方と水加減だけで、それぞれの餅に一番あったやわらかさに仕上げるんです」と語ります。

添加物は使わないため、『あべかわ餅』や『大福餅』などの賞味期限は当日のみ。それでも、その日だけの美味しさを求めに、地元をはじめ県内外から多くのお客さまが訪れます。

大吉餅 あべかわ餅

黒みつときな粉を絡めた、福井名物『あべかわ餅』。

厚みと弾力のある三角形の餅に、濃厚な黒みつときな粉をたっぷり絡ませた福井名物『あべかわ餅』。とろっとろの黒みつは沖縄県多良間島の黒糖を使い、隠し味にほんの少し塩を加えたもの。さっぱりとした福井県産大豆のきな粉が、甘さを控えた黒みつの味わいを際立たせています。

「静岡県が発祥の『あべかわ餅』ですが、福井では無病息災を願い夏の土用にいただく土用餅としても親しまれています。黒みつときな粉だけを使い、お店によって餅の形が異なる『あべかわ餅』は、福井県の嶺北地方にだけ伝わるもの。福井では年間通した身近なおやつとして定着しているところも、全国的に珍しいですね」と、餅好きの多い福井ならではの食文化を語る森さん。

店頭で職人さんが仕立てる時は、餅を黒みつにくぐらせてきな粉をまぶした後、再び黒みつときな粉をこんもりとかける2度付けで仕上げてくれるのがうれしいところ。すぐに食べられないお客さまには、お持ち帰り用の『あべかわ餅』パックもあります。こちらは餅、黒みつ、きな粉が別々に仕切られ、食べる直前に自分で混ぜ合わせる楽しみが。「最初に、餅に黒みつをかけるのがポイント。その方が、きな粉がしっかり絡みます」と教えてくれました。

大吉餅

素材の味を引き出す、定番&季節限定の『大福餅』。

ショーケースにお行儀よく整列した『大福餅』も、リピーターの絶えない人気商品です。年間通して手に入るこし餡入りの『えんどう豆大福』、『くるみ大福』、つぶ餡入りの『草大福』、『黒豆大福』に、季節ごとに期間限定の大福がラインナップに加わります。

「豆類は、基本的に北海道産のものです。黒豆は小粒ではなく、しっかりと食べごたえのあるものを選んでいます」と森さん。くるみは外皮の渋い部分を丁寧に取り除き、鉄のフライパンでローストするなど、ひと手間かけることで素材の味わいを引き出しています。

近年は、あわら市名産のサツマイモ『とみつ金時』を使った大福など、基本の餅づくりを守りながら新しい試みにもチャレンジ中。「福井の酒蔵『常山酒造』さんの酒粕を使った大福も、そのひとつです。社長が同級生で、何か一緒にできないかという話になったんです」とニッコリ。

「福井は餅屋と和菓子屋が昔のまま分かれて共存している貴重なところ。来てくださるお客さまがいらっしゃる限り、代々続けてきたこだわりの作り方を大事に続けていきたいです」と想いを語る森さん。ここに来ないと手に入らない、その日限りの素朴な美味しさをぜひ味わってみて。

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大吉餅
【住所】 福井市松本2丁目2-2(地図
【TEL】 0776-22-3221
【営業時間】 7:30~18:30(日曜日は17:30まで)
【定休日:】 木曜日、第3水曜日(定休日が祝日の場合は営業)
【HP】 https://daikichimochi.com/