見えなかった“モノづくり”が見える、分かる。
越前漆器の生産地・鯖江市河和田地区にある『うるしの里会館』が、2024年春にリニューアルオープン。1500年以上の歴史を持つ越前漆器をもっと気軽に使ってほしいと、今まで以上に見て・触れて・体験できるスポットとして生まれ変わりました。
「越前漆器」とは、木地製作、塗り、加飾といったすべての工程を河和田地区で行っている漆器のこと。館内の至る所には、各工程を詳細に解説したパネルや漆器作りに不可欠であった昔ながらの道具などが展示されていて、越前漆器の成り立ちや歴史に至るまで知識を深めることができます。
加えて、常設の展示スペースには各種受賞作品がずらり。職人技の結集を、至近距離で見ることができるのも魅力です。
また、隣接する「職人工房」では伝統工芸士たちによる実演の見学も可能。実演される工程は日替わりですが、繊細な動きから繰り出される匠の技はいずれも鮮やかな魔法のよう。タイミングが合えば、職人さん達と直接お話をすることもできますので、ぜひ気軽に覗いてみましょう。
“高品質がお買い得”なのは、産地だからこそ。
リニューアルに伴い、ミュージアムショップもバージョンアップ。なんと1,800点ものアイテムが並び、そのすべてが“産地価格”で購入できるというのは嬉しい限りです。
サイズも色も豊富に取り揃えられた、お椀や食器、箸、カトラリー、弁当箱、お盆、お重など多彩なアイテムは目移り必至。新作や食洗機対応、アウトレットといったコーナーも設けられ、伝統的なものから現代的なデザインまで魅力的な逸品に溢れています。
日常に取り入れやすいデザイン・アイテムも多く、「漆器ライフを始めたい」と考えている人の入口にも最適です。
中~上級者におすすめしたいのは蒔絵体験セット。解説動画を見ながら自分のタイミング・ペースで挑戦でき、世界に一つだけの名刺入れやトレーが作れるとあって密かに人気を集めています。
紹介しきれないほどのアイテムが並ぶミュージアムショップ。休憩スペースも設けられていますので、河和田の四季にほっと一息つきながらゆっくりとお買い物を楽しめます。
自分で作るワンアンドオンリーの漆器。
せっかく河和田地区に足を運ぶなら、理想の漆器を作るワークショップもおすすめです。
コースは2つ。1つ目は絵付け、沈金、拭き漆のいずれかを体験できる本格的なコース。2日前までの予約が必要ですが、越前漆器の職人による指導のもと約1時間でお椀やお盆、手鏡などお好きなアイテムを自分好みに仕上げることができます。
もう1つは、予約不要でスプーンやミニマグなどに絵付けができるコース。こちらは会館スタッフの方が手順を教えてくれ、所要時間は30分ほどと気軽に挑戦しやすくなっています。自分の手で仕上げた漆器は、思い出が詰まった特別なひと品になることでしょう。
越前漆器に盛りつけられた河和田を味わう。
ホッとする味わいが魅力の館内レストラン「椀椀(わんわん)」では、地物をふんだんに使ったメニューを楽しむことができます。特に、河和田地区に古くから伝わる伝統調味料「山うに」は、一食の価値あり。この地域特産の桑茶と併せて購入することもでき、お土産にもぴったりです。
使われている器はもちろん越前漆器で、気に入った場合はミュージアムショップでの購入もできます。使い心地も吟味しながら、食事をお楽しみください。
自然豊かな河和田地区の風景が至る所にあしらわれた会館は、毎年秋に開催されるものづくりの現場を見学・体験できるイベント「RENEW」のメイン会場にもなっています。
近隣には直営店を併設している工房もあり、産地めぐりの拠点にもうってつけです。漆器のある暮らしを始めたい人も深めたい人も、ぜひ新しくなった『うるしの里会館』へお越しください。