代々受け継がれている、ふるさと福井の味。
美容や健康志向の高まりのなか、注目を集めている発酵食品。その代表格が、日本人にもなじみ深い「お味噌」。大豆、米、塩とシンプルな材料でつくられている味噌は、地域によって味わいもさまざま。大豆の味がしっかりと感じられる「辛口」、米がたくさん入っていてまろやかな風味が特徴の「甘口」があり、基本的に東日本は「辛口」、西日本は「甘口」という傾向があります。福井県は、京都に近いことから白みその影響を受けたこと、有数の米どころでもあるので、米こうじがたっぷり使われたやや甘めの味噌がスタンダード。ほんのり甘く、香味豊かでコクと深みのある旨みは、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層に愛されてきました。
そんな福井の「ふるさとの味」を支え続けているのが、老舗味噌製造会社の『米五』。美しい自然が残る、福井の地で育った選りすぐりの米と、北海道産など厳選した国産大豆、塩を使い、素材のうまみを最大限に引き出した、昔ながらの味噌づくり。1831年に味噌づくりをはじめて以来、味噌一筋。昭和45年には曹洞宗大本山永平寺の味噌蔵をあずかり、御用達店として味噌づくりを続けてきました。
長年蔵にすみつく菌が、唯一無二の味を生み出す。
老舗の味噌製造会社では、「蔵ぐせ」と言われる、目には見えなくても蔵の床や壁、柱にも長年生き抜いてきた蔵付きの酵母菌がいて、それが味の決め手になると言われています。創業から長い間、同じ土地、同じ場所で味噌をつくり続けて育てられた『米五』だけの酵母の働きが、蔵独特の風味を生み出しています。「当社は職人が手間ひまをかける昔ながらの製法にこだわっています。蔵独自の酵母菌の特性を生かした、唯一無二の味わいがお楽しみいただけますよ」とは、『米五 みそ楽』の正玄さん。
こちらでは、味噌をもっと身近に感じてもらえるよう、味噌づくりの工場見学を実施しています。蔵の中に棲みついている目に見えない酵母、発酵の匂い。説明を受けながら昔ながらの味噌づくりを五感で感じることができ、訪れた観光客に喜ばれています。また、好きな味噌×具材を自由に組み合わせて、お湯を注ぐだけの“映えるおみそ汁”をつくる「みそだま体験」も、「見た目も可愛い自分だけのお土産がつくれる」と女性に大好評!
オシャレな味噌のコンセプトショップへ。
2018年に誕生した複合型施設『米五 みそ楽』は、味噌を通じて「買う」「食べる」「見て学ぶ」「体験する」を発信。訪れた人に、味噌の魅力を伝えています。1階のショップには、大豆の1.5倍の米こうじを使用した人気No.1の「馬鹿ばやし」や、大本山永平寺の味噌蔵の味を再現した「蔵」など、種類豊富な味噌を200gから量り売りで購入でき、知識と経験豊富なみそソムリエが、あなたの好みに応じた味噌をセレクトしてくれます。ほかにも、福井名物「はまなみそ」(10月~3月の期間限定)や種類豊富な「おかず味噌」、「甘酒ドレッシング」、「塩こうじ」、「味噌麦酒」など、さまざまなアイテムが並んでいて、一つひとつ眺めているだけでも心浮き立ちます。
また、2階にあるカフェ『みそカフェmisola』では、「みそに、恋する」をコンセプトに、『米五』の味噌や発酵食品を積極的に取り入れた、週替わりのランチやオリジナル味噌カレーなどが味わえます。味噌の可能性を広げるアイディア満載のメニューは、どれも真似したくなるものばかり。
大人の社会科見学「みそ蔵工場見学」で、『米五』の味噌の歴史や美味しさの秘密にふれ、体験教室で自分だけのみそだまを手づくりした後は、カフェで心もカラダも喜ぶ発酵食品たっぷりの美味しいランチをいただく。最後に、1階のショップで自分好みの味噌や発酵食品、お菓子などお土産選び…。福井の老舗味噌店がお届けする「みそのテーマパーク」をゆっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか?