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大胆な塗りと綿密な仕事。塗装の新たな可能性を探る『丸廣意匠』

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丹南エリア

  • 美技
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丸廣意匠
福井県鯖江市北中町537(地図
TEL/0778-65-2209

(商品販売はオンラインショップのみ)
HP/https://maruhiro-isho.com/
WEBSHOP/https://maruhiroisho.theshop.jp/

credit
文:古川朋香 写真:出地 瑠以(cocoon)

最終更新日 : 2022年8月14日

機械を使った美しい吹付け塗装。

漆器の産地、鯖江市河和田地区にある『丸廣意匠(まるひろいしょう)』。伝統的な漆塗りではなく、機械を使って木製品に吹付け塗装を行う会社です。人懐っこさが魅力的な、2代目の廣瀬康弘(ひろせ やすひろ)さんに話を伺いました。

『丸廣意匠』は1983年にマルヒロ漆器として創業。2代目の康弘さんは、先代のお父様の病気をきっかけに家業を継ぐことを決心したのだそうです。それまで漆器問屋で10年間営業をしていた康弘さんは継いだ当初、漆器業界の知識はあるものの技術がなく、仕事がもらえない苦しい期間があったと言います。仕事をもらいに県外の木工所に営業に行くことも。現在は安定して仕事をもらえるようになり、主に飲食店で使われる食器の吹付け塗装を行っています。

光沢が美しく強固な塗りの技術。

丸廣意匠が塗装を手がける製品は、ホテルや料亭の会席料理に使われる食器など、料理人さんにとっての大切な商売道具ばかり。1日に何回も洗われることを想像して、美しく強固な製品に仕上げます。スプレーガンを使って大胆に塗料を吹付けますが、木材に美しく均一な塗装を施すのは至難の技。また、木材には塗料を吸収する性質があるので、最後の上塗りまでに何度も塗装と研ぎ(とぎ)を繰り返し、一つひとつ丁寧に仕上げていきます。この大胆な塗装と緻密で繊細な作業によって、見た目の美しさだけでなくボロボロに使い込まれても塗り直せばきれいに蘇る製品ができあがるのです。

吹付け塗装に使う塗料は100色以上あり、混ぜることで色の種類は無限大に。極限までオーダーに近い色を目指し、廣瀬さん自身が調色を行うこともあるのだそう。

モダンなデザインが魅力の『MARUHIRO SPRAY』。

2018年には、デッドストックの漆器や木地に塗装を施して再生させるプロジェクト『MARUHIRO SPRAY』を開始した丸廣意匠。使われずに眠っている商品や試作品に鮮やかな色を塗り重ね、新たな命を吹き込んでいます。

「これまでは漆の色合いを再現したものばかりでしたが、塗料の多彩な色を活かして、塗装の新たな可能性を探っています」と廣瀬さん。東京のデザイナー『MUTE』のイトウケンジさん、越前漆器の木地師『ろくろ舎』の酒井義夫さん、そして『丸廣意匠』の3社がタッグを組み、「プロの配色×塗りの技術」で人の心に刺さる塗装を模索しているのだそう。

「1人でも大勢の方に足を止めて頂けるような塗装を発信したい。漆器の産地で、漆にはないものを。プロの配色をどこまで忠実に再現できるか、職人としての腕が試されています」

2019年に変更した屋号『丸廣意匠』からも、廣瀬さんの覚悟が伝わってきます。独自の技術と世界観で、塗装の新たな可能性を探っていく『丸廣意匠』の今後が楽しみです。

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丸廣意匠
福井県鯖江市北中町537(地図
TEL/0778-65-2209

(商品販売はオンラインショップのみ)
HP/https://maruhiro-isho.com/
WEBSHOP/https://maruhiroisho.theshop.jp/

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文:古川朋香 写真:出地 瑠以(cocoon)