福井をもっと知りたくなる、日常と旅を彩る大人の空間。
JR福井駅から徒歩1分。細い階段を上り重厚な扉を開くと、そこは静かな音楽が流れるオーセンティックバー。高級ホテルのラウンジのような気品ある空間で、バーテンダーがその日の気分にあわせたお酒で特別な時間を約束してくれます。
ラグジュアリーな店内には、「福井らしいバーをつくりたい」というこだわりが込められています。壁には、福井城址の石垣に使われる笏谷石と福井の伝統工芸品である越前和紙を使用。越前漆器の沈金の技で描かれたモダンなオブジェが、上質なアクセントになっています。また、喫煙室として設けた中庭は、まるで美しいウィンドウディスプレイのように華やかな存在感を放っています。
県外から来られたお客さまに、福井の観光案内をすることもあるというオーナーバーテンダーの松浦さん。「お客さまのお話をお聞きするバーテンダーは、いろんな情報を知っています。地元のことをもっと深く知れる場所は、実はバーなのかなと思います」。地元の人は改めて福井の良さを実感し、県外の人は福井への興味がより湧いてくる、日常と旅を彩る大人の空間です。
人気のフルーツカクテルも、幻のスコッチウイスキーも。
『THE BAR 灯火』の一番人気は、フルーツカクテルです。旬にこだわり、市場にあまり出回らないような珍しいフルーツも取り寄せています。例えば、秋には陽豊柿という糖度20度を超える品種を使い、濃密な甘さを引き立てる鮮やかなカクテルをご提案。「季節のフレッシュなものを使うので、フルーツの香りと味わいを楽しんでもらえるように仕上げています」と松浦さん。
豊富なウイスキーも魅力のひとつ。「幻の酒」と呼ばれる本場スコットランドの閉鎖してしまったウイスキー蒸留所から、日本の新しい蒸留所のものまで取り揃えています。気になる料金はボトル裏に明示されていて、気兼ねなく飲むことが。裏メニュー的な日本酒は、福井の地酒をセレクト。格別なブランデーも、ひっそり出番を待っています。
お客さまは県外客から地元の方まで、世代も20〜60代と幅広いそう。最近は、インスタを見て訪れる女性客も増えています。「コロナ禍で家飲みが増えた中、外へ飲みに行くのは特別な時間。上質な空間で本当に美味しいものを飲む、贅沢なひとときを愉しんでいただきたいですね」。
バーテンダーとの会話から生まれる、自分だけの特別な一杯。
松浦さんは名古屋と福井の老舗バーで合わせて12年間修業を積み、2021年、福井駅前に『THE BAR 灯火』をオープンしました。「駅前はバーがあまりなく、県外から来てホテルに泊まられたお客さまがもう1件バーに行こうとするとき選択肢が少なかった。駅前再開発のタイミングもあり、これから新しく変わっていく中で、地域貢献としても何かできたらいいなという気持ちがありました」と語ります。
バックバーに並ぶのは、ウイスキーやブランデー、ジン、ラム、テキーラ、リキュールなど。冷蔵庫に保管されているお酒も合わせると全部で約900種類あり、ウイスキーは国内外あわせて約400種類と充実しています。
メニューはなく、オーダーはお客さまと会話を交わし、おすすめをご提案するスタイル。「メニューにすべてはのせられないし、お客さまが自分のわかるお酒しか頼まなくなりがちです。〝アルコール軽めで甘めなカクテル〟、〝口当たりのすっきりしたもの〟など、どういったものがお好みかを言ってもらえましたら、その時の気分や体調にあわせたカクテルを作らせていただきます。ウイスキーであれば、ボトルを何本かお見せしてお選びいただいています」と松浦さん。特別感のある一杯で、自分へのご褒美時間をゆっくり楽しんで。