世界も認める、まちなかのオアシス。
JR福井駅から徒歩圏内、知る人ぞ知る穴場の庭園『養浩館庭園』。江戸時代につくられた回遊式庭園で、かつては福井藩主松平家の別邸でした。福井空襲で建物は焼失したものの、庭園の池や築山、石組みは失われず、82年に国の名勝に指定されました。8年の修復を経て数寄屋造りの建物を復元し、93年から一般公開しており、今年6月で30年目を迎えます。
2022年には、アメリカの日本庭園専門誌「Sukiya Living Magazine」において、日本庭園ランキングで養浩館庭園が5位に選ばれました。数寄屋建築のすばらしさ、建物と水との親和性、予約や時間制限がなく気軽に利用できるところなどが評価されており、「かつての藩主やその家族と同じように現代の私たちがリラックスできるのもすばらしい」とコメントされています。2007年に初めてランクインしてから、なんと16年連続10位以内をキープしている、世界も認める、まちなかのオアシスです。
訪れるたび、新しい発見が。
大きな池を中心に広がるお庭と、その池に浮かぶようにして建つ数寄屋造りの建物が、類い希なるくつろぎの空間をつくりあげています。何よりここでは、名勝庭園ではめずらしく、かつての藩主と同じように座敷からゆったりとお庭を眺めることができます。まずは、池に面した部屋から、建具等で額縁のように切り取られた自然の美、めくるめく水と光の世界を、お殿様気分でゆるりと楽しみ、板戸の絵や螺鈿細工で装飾された戸棚、欄間など、細やかなしつらいにも心を留めてみてください。
時間があれば、池の周りを自然と向き合いながら、ゆっくりと散策をするのもぜひおすすめです。
季節の花が咲く姿に心奪われたり、耳をすまして虫や鳥の声を聞いたり、自分だけの絶景を見つけたり。そんな「ちいさな発見」に、忙しい日常に疲れた心がするりと解き放たれていくはず。
庭園を愛でながら、一服。
清楚な姿を見せる梅の花、みずみずしい新緑、赤や黄色に色づいた美しい紅葉、水墨画のような冬の雪景色…。春のお茶席やライトアップ、夏限定の茶会、美しい紅葉が浮かび上がるドラマティックな秋のライトアップや庭カフェ、コンサートなど、1年を通してさまざまなイベントが行なわれています。
春夏秋冬、それぞれの自然が表情をもたらす、アート作品のような美しさと感性に満ちた場所。日常を忘れて、心の軸を整える、穏やかな時間を過ごしてみてください。