癒やしと元気がもらえる、季節の花のある暮らし。
近頃、花を買う人が増えています。コロナ禍でおうち時間が長くなり、季節の変化を感じ、癒やしと元気をくれる花が、日々の暮らしに欠かせないものとなっているようです。
「花の力はすごくて、うちの花から〝元気がもらえる〟とお客さまによく言われます」そう語るのは、フラワーデザイナーの小林しのぶさん。坂井市丸岡町の住宅街で『Charles Garden(シャルルガーデン)』を営んでいます。金曜、土曜、日曜日は、20種類以上のフレッシュフラワーを販売。月曜、火曜日はドライフラワーとブリザーブドフラワーを扱い、店内には常時、福井で活躍する作家が手がけるアクセサリーやキャンドルなどの雑貨が置かれています。
店名は「開店当時読んでた本に登場した、わがまま気ままで自由奔放なネコの名前」だそう。「まさに自分みたいなキャラクター(笑)。ちょっとわがままな人が集まるお庭みたいなイメージです」と、小林さんはいたずらっぽく笑います。
3日間限定のフレッシュフラワーで、ロスゼロを実現。
フレッシュフラワーが週3日の限定販売なのは、「生花のロスをゼロに」という小林さんの強い思いから。「残った生花を捨てたくない。お客さまが買った後も花が長持ちするよう、生花が入荷する木曜日は定休日にし、1日かけてしっかり下処理しています」それでも残った花は、捨てずにドライフラワーに。花瓶も再生ガラスのものを使うなど、SDGsに取り組んでいます。
ブーケやアレンジはお客さまの要望を聞いてつくりますが、小林さんのセンスを信頼し「けっこうおまかせの方が多い」そう。「気をつけているのが、めったに見ないようなクセの強い花を入れること。普段見ない花を見て、お客さまが喜んでいただけるとやめられない」とニッコリ。
そんな小林さんが特に力を入れているのが、ショッピングセンターやブライダル、店舗などを彩る花の空間デザインです。アーティフィシャルフラワーにドライフラワーを組み合わせたアレンジをはじめ、大胆で遊び心ある発想から生まれるハイセンスな作品は高く評価されています。
花のある生活と、花で生きていく人生のきっかけに。
老若男女、幅広いお客さまに愛される『Charles Garden』。花の色合いが映えるモノトーンを基調としたスタイリッシュな空間は、「男性のお客さまも入りやすいよう」と小林さんはいいます。
「高校生の男の子が社会人になって彼女へのプレゼントを買いに来てくれたり、中学生のとき来てくれた女の子が結婚するときお花を依頼してくれたり。幸せな瞬間や大切な記念日にうちのお花を使ってもらえるのは、すごくいい仕事だなと思います。お客さまと一緒に成長させていただいているようで、うれしいですね」とほほ笑みます。
昨年増築したコンテナ部分は、花の教室やアトリエ、ポップアップストアに活用。4年前から、独自のカリキュラムによる認定資格レッスンもスタートさせました。「卒業生は一緒に現場に入ってもらったり、独立してお花屋さんをされたり。お花の世界で生きていきたい人を応援する感じです」と小林さん。未知の可能性や才能が、ここから大きく花開いています。