職人技から生まれる、かゆいところに手が届くもの。
越前漆器のまち鯖江市河和田町で木工雑貨の製造・販売をしている『ヤマト工芸』。ステーショナリーからキッチン用品、時計にいたるまで、あらゆる生活雑貨が職人さんの熟練の技によりひとつひとつ丁寧につくられています。
TV番組などでも度々取り上げられるダストボックスは、中にセットするゴミ袋が見えない仕掛けが人気。サイドテーブルとして使えるものや、スイング式のフタ付きのものまで種類も豊富です。木目のナチュラルな見た目は、主張しすぎずどんなインテリアにも溶け込みます。他にもティッシュケースやスマホ立て、コロナ禍になってから誕生したマスク用クリップやマスクボックスなど。生活の中にあると便利な雑貨がたくさん。
「あったらいいな」を商品に。とにかく、やってみる。
ヤマト工芸の木工製品づくりの始まりは、元々は漆器の最初の工程である「木地づくり」の職人さんだった先代から。常により使い勝手のよいものを考える製品づくりは、アイデアマンだった父親のDNA、と話す高野社長。父親が40歳の若さで他界したときは、まだ10代だったそう。その頃は漆器がプラスチックに移行していた厳しい時代。なんとか食べていかなくては、と商品開発を続けてきた経験から、アイデアを出していくのはもうくせになっていると話す高野さんは、とてもエネルギッシュ。
「ものをつくるのは人間の本能」と現在は野菜づくりもされているそうです。畑で作業に集中していると、次の商品のアイデアがわいてくるのだとか。基本は自分が欲しいと思うもの、そしてお客様から頼まれたものを作ること。お客様からの要望は基本的に断らず、難しいものはできる方向を考えながら、可能な限りやってみるそうです。その試行錯誤から、新しい商品のアイデアが生まれることもあるのだそうです。
ものづくりを通して、まちづくりへとつないでいく。
開発・デザインから、木地づくり・組み立て・塗装、梱包・配送までのすべてを自社で行っているヤマト工芸では、現在約50人の職人さんが働いています。遠くから働きたいと河和田へ移住してくる若い人も。こんな田舎へ来てくれる人は稀有なので、できるだけ育てていきたいと受け入れることにしていると高野さん。
「技術を覚えるのは大変だけど、技術がわかればアイデアもわく。若い人が考えて、若い人が作り、若い人に使ってもらうのがいい。」過去には県外の木工関係の会社から相談を受けて色々とアドバイスしたことも。「ものづくりだけやっていても。まちが繁栄して地場産業にならないと。」人にもまちにも喜んでもらえるものづくりが、これからも「漆器のまち」づくりへ継がれていきます。
※ヤマト工芸の製品は、現在オンラインショップでのみの販売となっています。
株式会社 ヤマト工芸
福井県鯖江市莇生田町19-40(地図)
TEL/0778-65-1158
(商品販売はオンラインのみ)
HP/http://yamatokougei.com