
毎日の暮らしに馴染むシンプルなデザイン。
日本のメガネフレームの90%以上を生産している眼鏡産地、鯖江市。『谷口眼鏡』は1957年の創業以来、約半世紀にわたり眼鏡のプラスチックフレームを手がけています。
OEMで培った長年のノウハウを活かし、1996年に自社オリジナルブランド『TURNING(ターニング)』シリーズが誕生。「体温の伝わる眼鏡」をコンセプトに職人が丁寧に作り上げる眼鏡の数々は、多くのファンに愛されています。
さらに2020年にはサングラスブランド『tesio(テシオ)』シリーズを発表。既存のサングラスは欧米人の顔を基準に作られることが多いなか、『tesio』では日本人の顔に合わせた設計や、暮らしにスッと馴染むようなシンプルなデザインを取り入れており、感度の高い人を中心に注目を集めています。

「掛け心地の良さ」こそ『谷口眼鏡』の代名詞。
谷口眼鏡がものづくりで最もこだわっているのが「掛け心地の良さ」。日本人の頭部の形状や鼻の高さ、頬骨の出方などを研究し、フレームの大きさや鼻パッドの位置や高さを細かく設計することで、心地良くフィットする理想のフレームが出来上がります。
掛け心地に加え、もう一つ大切に考えていることが快適性です。眼鏡やサングラスはフロント部分が重くなるため、前にずり落ちてしまいがち。その力を弱めるため、耳にかかるテンプルの形に厚みを持たせ大きくしています。こうすることで重心が後方になり、ずり落ちる力が軽減。このような「後方重心設計」によって長時間掛けていても疲れにくく、痛くならない快適性が生み出されるのです。
「いつまでも眼鏡を快適に使っていただけるよう、定期的にメンテナンスに出していただきたいですね」と社長の谷口康彦さん。『tesio』シリーズでは、眼鏡を作った職人自らがリペアを手がけるサービスも行っています。リペアやメンテナンスを通した職人との距離の近さも谷口眼鏡の魅力。お気に入りの眼鏡を安心してかけ続けられることで、さらに愛着が深まりそうです。

手間を惜しまない、若き職人たちのものづくりへの想い。
明るく清潔感のある工場では、10数名の職人たちが真剣にものづくりと向き合っています。『谷口眼鏡』では20〜30代の若手職人が活躍しているのも特徴の一つ。県外出身の人も多く、眼鏡やものづくりへの興味、「この地域が気に入って」など、入社理由はさまざまです。
河和田地区では年1回体験型マーケット「RENEW」が開催されており、その代表を務めている谷口社長。眼鏡作りを通して地域に開いている会社の姿勢も多くの若者から支持されているのでしょう。
職人一人ひとりが手間を惜しまず、使う人に寄り添った眼鏡を作り続ける『谷口眼鏡』。創業から変わることのないクラフトマンシップが詰まった眼鏡は、これからも多くのファンを魅了し続けます。