大野の名水で、この場所でしか味わえない一杯を。
名水で知られる北陸の小京都 大野市の街中にある『モモンガコーヒー』。店で味わう名水で淹れた自家焙煎のコーヒーは、その格別な美味しさで訪れる人を驚かせています。
「やっぱり水が違うんです。軟水で、水自体に甘みを感じる大野の水は、コーヒーとすごく相性がいい」店主の牧野俊博さんは、美味しさの秘密をそう語ります。名水百選に選ばれる大野市は天然の湧水に恵まれ、家庭でも地下水をポンプで汲み上げ水道水として利用しているのだそう。2014年には「日本一美味しい水道水」を飲める市に選ばれるなど、その品質はお墨付きです。
牧野さんはそんな大野の水を活かした「この土地でしかできない焙煎」を行っています。「実は、コーヒー豆自体は果実の種なので全部甘いんです。大野の水とのマッチングを意識して、あまり過度な焙煎はせず、豆の甘みを引き出せるよう心がけています」
フェアトレードにこだわった豆を世界中から厳選。
「コーヒー豆は、できる限り産地のコーヒー農家の方に正当な金額が届くフェアトレードな豆を扱いたい」という牧野さん。コーヒー農園と直接取引をするなど、「フェアな関係を築く中で、よそとは違う美味しいコーヒーを出せたら」と考えています。
2年前からは、コロンビアのコーヒー農園とダイレクトトレードで豆を仕入れているそう。そこには、ある出会いがあったといいます。「コーヒー農園の5代目が乗った車が故障し、修理の間たまたまうちに来たんです。それで車内にあったコーヒー豆を淹れさせてもらったら感動するほど美味しくて、彼もとても驚いていた。けっきょく〝水の違いだ〟という結論になり、そこからおつきあいが始まりました。今は、気が合うアミーゴみたいな相手です」と笑う牧野さん。
他にも、ブラジル、東ティモールなど厳選した自家焙煎豆が充実し、豆の販売も人気。「でも、やっぱり本当は大野の水と組み合わせで飲んでほしいですね」といいます。
幅広い世代の人が集い、好きなコーヒーを楽しむ空間。
お店の一番人気は『モモンガブレンド』。華やかな香りで、ほどよいコクと甘さが自慢です。「大野の水との相性でしかつくれないブレンド。シングルのコーヒーでは絶対に味わえないバランス感を目指しています」と牧野さんは力を込めます。
アイスコーヒーは、夏季限定の人気商品。ウォータードリッパーで8時間かけて大野の名水を1滴1滴落としていく水出しコーヒーは、熱を加えないため苦味やカフェインが極端に少なく、とてもまろやか。「フルーティで、香りが良く、店ではワイングラスに入れて香りも楽しんでもらっています」。1日2ℓしか抽出できず、あっという間に売り切れる「幻のコーヒー」です。
開店から8年。エスプレッソを味わう女子高生や、カフェラテを楽しむおばあちゃんなど、店には幅広い世代が集います。「老若男女問わずきていただける店にしたかったので、そうなれたのかなと。大野の方に誇りに思ってもらえたらうれしいですね」と想いを語ります。