Author Archives: bimeguri

築100年の趣に包まれて食す港町イタリアン 『Sogno-Poli(ソニョーポリ)』

不思議と重なった“偶然”に導かれて。

坂井市三国町で高い人気を誇っていたイタリアンレストランが、敦賀市の赤レンガ倉庫に移転したのは2015年秋のこと。山本剛司オーナーシェフは、笑いながら当時を振り返ります。「大好きな三国で移転を考えていた時に、この赤レンガ倉庫を活用するプロジェクトの話が舞い込んできたんです。最初は全く興味がなかったんですが、色んな話を聞くうちに“こんな大きな建物を自分で建てることは出来ない。増してや築100年以上の国の登録有形文化財でお店をやるなんて、今引き受けなかったら多分二度と巡って来ない話だろうな”と思い始めて。これを逃したら観光に携わることはないだろうとも思ったので、じゃあやってみようかなと流れに乗ってみたんです」。

その決断は三国をはじめ多くのファンに衝撃を与えましたが、移転後もランチやディナー、ウエディング、音楽・医療とのコラボイベントなど、食を出発点とする“楽しい”を提供し続け、今ではすっかり敦賀を代表するイタリアンレストランとして愛されています。

技術 × 探求心 × 小ロット食材。

「僕はイタリアンだけど、“イタリアンだからこうしなきゃ”みたいな感覚はあまりないんです」と話す山本シェフ。幅広いジャンルの料理人との交流を通してそれぞれの分野の話を聞く中で、面白そうと感じたものはまず試してみるのが身上だと言います。「やってみて“なるほど”と思えば取り入れるし、そうでなければ知識として知っておくという感じですね。どのジャンルでも基本を大切にする姿勢は変わらないと感じています」。

そんなソニョーポリには、固定メニューがほとんどありません。その日手に入った素材を生かしながら、さりげなくも味わい深いイタリアンに仕立てる。当たり前のようで繊細さが求められるその一連の工程を、山本シェフは実にしなやかにこなしてしまいます。「敦賀の食材を中心に使い、果物も極力嶺南で穫れるものを選んでいます。でも嶺南で作られている農作物は小規模生産が多いので、“この食材を1週間お願いします”と安定的に入荷するのはなかなか難しいんです。魚介類も同じで、魚種は多いけど1種類の漁獲量がそれほど多くない。だからうちのメニューはコロコロ変わるんです」と楽しそうに笑う山本シェフ。しかし“シェフのしなやかさ×小ロット食材”こそがソニョーポリの最大の魅力です。多くのファンを虜にし続けているその手腕を、ぜひ季節を変え、時間を変えてご堪能ください。

変化し続けるのがソニョーポリ。

今後は、更にカフェタイムを充実させたいと意気込みを見せる山本シェフ。「せっかく赤レンガ倉庫に来られた観光客の方にゆっくり過ごしていただく場所を提供したいという思いと、地元の方がフラッと立ち寄って仕事をするような気軽な場になりたいという思いがあるんです。“ここはレストラン?カフェ?あ、こんな使い方もできるの?よく分からないけど楽しい場所だな”と思ってもらえたら嬉しいですね」。

山本シェフにとって、「ソニョーポリ」は一編の長い物語。三国時代を第一幕とするなら、敦賀は第二幕。さらに世界が大きく変わった今は第三幕といったところでしょうか。「全世界が同時に、1つの感染症で大きく変わったじゃないですか。僕は元の世界に戻るとは感じていなくて、そのおかげで“こうした方が楽しそう”という発見もありました。その時々で僕が見たもの・感じたものの中から楽しいと思えるものを形にできたらいいなと思っています」。

今後もいくつものターニングポイントを迎えながら、刻々と変わり続けていく「ソニョーポリ」。次はどう楽しませてくれるのだろうと、期待は膨らむばかりです。

暮らすように旅をする、一棟貸しの古民家宿『小浜町家ステイ』

歴史あるまち並みに建つ古民家を、宿にリノベーション。

小浜市は、京都につながる『鯖街道』の起点となるまちです。若狭湾に面した山海里の豊かな食材で、遠い昔から京の食文化を支えてきました。町家や土蔵など当時の賑わいを伝える歴史あるまち並みは、重要伝統的建造物群保存地区に選定。『小浜町家ステイ』はそんな歴史あるエリアを中心に、古民家を心地よく過ごせるようリノベーションした一棟貸しの宿です。

「小浜にはまち全体が文化財として景観が保存されている地区があります。古いまち並みが広いエリアで手付かずのまま残っているのは、実は京都でもあまりないんですよ。近くには海もあり、多彩な過ごし方をお楽しみいただけます」と語る代表の御子柴北斗さん。

『小浜町家ステイ』は、間取りや内装が異なる7棟。小浜西組地区には、明治期の町家を改装した『八幡参道みやけ』や、大正3年に建てられた和菓子屋と蔵を改装した『丹後街道つだ主屋』、『丹後街道つだ蔵』などがあります。かつて北前船の寄港で栄えた西津地区には、築100年を越える酒屋をリノベーションした『西津湊かさまつ』が。2023年春には、江戸時代に建てられ、国の登録有形文化財に指定された北前船船頭の屋敷を活かした『西津湊ふるかわ』がオープンしました。

伝統とモダンが融合した空間で、小浜を楽しみ尽くす。

日本建築の風情を色濃く残す『小浜町家ステイ』。古民家の土間や格子戸、坪庭を活かした間取りは外と内を緩やかにつなぎ、自然の移り変わりや季節の匂いを身近に感じることができます。一方で、キッチンやバスルーム、寝室などは、使いやすく快適なホテルライクな空間に。エアコンなどの設備も完備し、伝統とモダンをバランス良く融合させています。

そんな一棟貸しの宿での過ごし方は自由自在。地元の店でテイクアウトし、部屋でおしゃべりや食事を楽しんだり。地場の旬の食材を買い求め、キッチンで料理をしたり。また、近くには若狭湾の海の幸を堪能できる料亭や鮨屋などもあり、オプションでディナー付プランを選ぶことも。大切な人と一緒に、家族で、グループで、いろんな楽しみ方が広がります。

「小浜はいい意味で観光地化されておらず、地域の暮らしを身近に感じていただけるまち。せっかくなので宿でゆっくりするだけでなく小浜のまちへでかけていただき、それぞれが思うままにいろんな過ごし方を見つけてもらえたらと思います」と御子柴さんはいいます。

『小浜まち歩きチケット』で、暮らすように旅をして。

小浜の歴史・文化、豊かな自然、季節の恵みなどを楽しむために、ぜひ押さえておきたいのが公式HP予約限定の5大特典です。『小浜まち歩きチケット』として、カフェチケット、サイクリングチケット、寺院巡りチケット、濱の湯チケットに加え、公式HPより安い料金の予約サイトがあった場合、最低料金での宿泊を保証するベストレート保証が付いてきます。

朝のカフェで地元の人とふれ合う。レンタサイクルで歴史あるまち並みを巡る。国宝や重要文化財の寺社でお参りする。小浜湾を一望するお風呂で疲れを癒す。街中を歩き、郊外にでかけ、小浜を暮らすように旅する中で、地元の日常と旅の非日常が笑顔で交差していきます。

そんな小浜ならではの魅力にひかれ、何度も宿を訪れるリピーターの方も多いそう。「近頃は、京都にない魅力を求めて外国人のお客さまも増えています。これからもっと、小浜のまちを楽しむ仕掛けをしていきたいですね」と、御子柴さん。これからの小浜が楽しみな展望を語ってくれました。

自然の中で五感を整えるリトリート空間 『松永六感 藤屋』

歴史ある松永の自然の中で、ゆるりと五感をひらく。

JR小浜駅から車で約15分ほど走ると、美しい山に囲まれ、のどかな田んぼの風景が広がる小浜市松永に着きます。この地は平安時代の古文書「続日本書紀」に記されているほど歴史が深く、豊かな自然の中に国宝 明通寺をはじめとする数多くの文化遺産が息づいています。

『松永六感 藤屋』は、そんな松永の自然に抱かれた5部屋限定の小さな宿。松永に咲く季節の花の名が付けられた部屋は、それぞれ広さや室礼が異なり、窓から庭や滝を眺めてくつろぐことができます。薪ストーブと囲炉裏のあるラウンジには、「五感をひらく」をテーマにしたライブラリーも。ほど良い距離感の中で、思い思いのひとときを過ごすことができます。

「ここは松永の自然に根づいた食、人、文化を通して、五感を整えるリトリートの空間です。地域に脈々と受け継がれる自然や文化を体感することで、五感をひらいたその先にある、言葉にはできないものを感じていただけると思います」と、代表の御子柴北斗さんは語ります。

自分で収穫する精進料理。朝ごはんは国宝 明通寺で。

『松永六感 藤屋』の広い敷地には、年間通して200種類以上の季節の野菜やハーブを栽培する『藤屋ファーム』があります。宿泊者はファームを自由に散歩でき、自分が夕食でいただく野菜やハーブの収穫を体験。土を踏み、手で摘み、香りを嗅ぎ、五感を刺激しながら採ったみずみずしい野菜やハーブを使った精進料理は、身体と心を満たすような不思議な力が感じられます。

「野菜中心のお料理になっていますが、山あいの大地と清らかな松永の水で育てられた季節の恵みは、滋味にあふれ栄養もたっぷりです。素材本来の美味しさを引き出しながら、精進料理のイメージをくつがえす華やかな彩りも魅力。山海の自然に恵まれ、京の食文化を支えた小浜の歴史にも触れていたけるよう、最近は若狭ぐじもお出ししています」と御子柴さんはいいます。

朝食は、宿の近くの国宝 明通寺へ。朝霧の森を抜け本堂で瞑想を体験した後、境内の客殿で朝粥と精進弁当をいただきます。静寂の中で、風の音や鳥のさえずり、清流のせせらぎに気づくことができるように、本来の自分へ戻っていくような心洗われる清々しいひとときです。

歴史、人、自然に触れ、自分を解放していく時間と体験。

この土地ならではの食を味わった後は、地元の自然や人々と触れ合い「五感をひらく」体験へ出かけませんか。征夷大将軍として知られる武将 坂上田村麻呂が平和を願って建立したとされる明通寺では、瞑想の他に写経を体験することができます。さらに、「小浜は山間に多くの寺院があり、拝観を受け入れている寺を巡る『小浜八ヶ寺巡り』も楽しめますよ」と御子柴さん。

また、松永の集落では、創業300年になるお酢醸造所を見学したり、旧小学校跡の家具工房で木彫皿を作ったりすることもできるそう。四季折々の風景を散策するトレッキング体験では、若狭湾にそそぐ川の源流を遡ることも。山腹の分水嶺からは、小浜のまちと日本海が一望できます。

「若い世代からシニアまで、日常から離れる時間をつくりに来られ、女性のひとり旅もけっこういらっしゃいます。何度も足を運んでくださるリピーターの方も多いですね。今後は、海外に向けても、松永という土地の魅力を発信していきたいです」。非日常の世界で自分を解放する時間と体験は、国境を越え、言葉を越え、今を生きる人たちの心に響き、明日への活力を育みます。

波が魅せる地層の中の物語『若狭フィッシャーマンズ・ワーフ』

いつの時代も人々の心を震わせる、雄大な自然美。

日本海側では珍しいリアス海岸を有する「蘇洞門(そとも)」は、2017年にアメリカCNN「日本で最も美しい場所36選」に選出された、世界が認める景勝地です。『若狭フィッシャーマンズ・ワーフ』が運航するクルーズ船では、その美しい景観を間近で見られる「蘇洞門めぐり」を楽しめるとあって、3月〜11月のシーズン中はたくさんの人が訪れる人気のスポットです。

1周約60分の船旅で満喫できるのは、約6kmにも渡る断崖美。内海の小浜湾から外海の若狭湾まで続く花崗岩の方状節理は、特に「あみかけ岩」「大門・小門」と呼ばれるスポットでより分かりやすく露出しています。人の手では決して作り出すことができない直方体状の割れ目は、長い年月と自然の雄大さに思いを馳せるに充分で、ここまで浸食した若狭湾の荒波の力にも驚かされるばかりです。船からでしか見ることができないこの景色は、何度訪れても言葉にしがたい圧巻の光景です。

またクルーズ中には、西方向に美しい山容から“若狭富士”とも呼ばれる、高浜町の「青葉山」が確認できます。「青葉山」の峰が2つある景色も、実は海側からしか見ることができない姿ですので、併せてお楽しみください。

白波を進むクルーズ船。デッキで潮風と波しぶきを感じながら、歴史が作り上げた豪壮な景色を堪能できる場所はそう多くはありません。受付近くの「Sotomo Café」でオーダーしたドリンクを片手に、ゆったりと時空を超える船旅に出てみませんか。

小浜よっぱらいサバの炙り丼

母なる海が育む、心浮き立つ味わい。

せっかく小浜に来たのなら、海の幸を存分に堪能したいところ。そんな願いを叶えてくれるのが、2階にある「海幸苑」。こちらでは、近海で獲れた地物をふんだんに使った定食や丼、鯖寿司などを提供しています。

一番人気は、約8種類もの海鮮がトッピングされた「小浜丼」。大きめにカットされた刺身と、一口ごとに変わる味わいは文句なしの満足度です。地元産コシヒカリには雲丹醤(うにひしお)がかけられており、時折広がる雲丹の香りもたまりません。男性にも嬉しいボリュームで、食べ進むごとに五感が満たされていくことでしょう。

また、酒粕を食べて育ったサバ「小浜よっぱらいサバ」の炙り丼も人気メニューです。濃い旨味と甘味が特徴で、爽やかな香りがたまりません。途中まで食べ進めたら、薬味を加えて出汁茶漬けにするのもおすすめ。炙りならではの香ばしさと出汁の奥深さが相まって、最後まで一気に食べ進んでしまうはずです。

また、毎年の牡蠣のシーズンには、土・日・祝日限定で牡蠣小屋「蘇洞門倶楽部」がオープン。味わえるのは、10cmほどの身に旨味を凝縮した「若狭牡蠣」です。若狭湾の最深部にある内外海(うちとみ)半島でのみ養殖されている知る人ぞ知る逸品は、地酒でふっくらと蒸しあげれば至福の味わいに。他にも焼き牡蠣や牡蠣飯などもあります。短い期間でのオープンになりますので、牡蠣好きの方はぜひ足をお運びください。

地域色豊かな一品を、旅の記憶に。

また、『若狭フィッシャーマンズ・ワーフ』では、選りすぐりの銘品が並んだお土産ショップでのお買い物も楽しめます。若狭を代表する食である「小鯛の笹漬け」や「へしこ」をはじめ、鯖缶や地酒・地ビールなど、選びきれないほどの名産品が並んでいます。福井梅を使った「梅ごしょう」や「名田ゆず七味」「へしこバーニャカウダ」などの“ご当地調味料”は、地元の人にも人気の味です。新しい味覚とのめぐり逢いは、食の楽しみを何倍にも膨らませてくれるもの。ぜひお試しください。

また、小浜は全国シェア8割を占める“塗箸づくりの町”。塗箸を特集したコーナーが設けられ、「若狭塗り箸」をはじめとした多彩なラインナップは目移り必至。伝統的なものから、モダン、ユニークなものまで取り揃えられているので、きっと納得の一膳が見つかるはずです。

若狭の魅力を余すことなく味わえる『若狭フィッシャーマンズ・ワーフ』。大自然の懐の深さを、今一度再認識できるスポットです。

素材にこだわった、季節の甘味を楽しむ『うさぎや』

熱々ほくほく、焼き立て『もちパイ』をおもちかえり。

鯖江市の住宅街にある御菓子処『うさぎや』。越前市出身の江指さんが、東京六本木の和菓子屋で修業を積み、2004年にオープンしました。店名には、「小さな子どもからご高齢の方まで誰からも愛されるような、前へ進んでいくうさぎのようなお店に」との思いが込められています。

お店の一番人気は、和と洋の美味しい出会いから生まれた『もちパイ』です。バターが香る薄いパイ生地の中に、弾力のある羽二重もちと自家製あんこがぎっしり詰まってもっちり&サクサク。定番のつぶあん、栗入り白あん、ごまあん、チョコ、メープルに、季節限定のイチゴやサクラ、リンゴ、サツマイモなどが加わって、常時6〜8種類が並んでいます。

「なるべくできたてを味わっていただきたい」との思いから、大量に作り置きはしないそう。事前に連絡を入れておくと、来店の時間に合わせて焼き立てを用意してもらえます。「焼き立てはもちろんおすすめですが、すぐに召し上がらない場合は、オーブントースターで2分ほど温めていただくと焼き立ての美味しさが味わえますよ」と奥さまはほほ笑みます。

こしあん派もつぶあん派も、大満足の自家製あんこ。

『うさぎや』は、厳選した北海道産の小豆を時間をかけてじっくり炊き上げた自家製あんを使用。「お客さまに新鮮で美味しいものを味わっていただきたいから」と、国産の小麦粉や質のいい玉子など良質な素材にこだわり、ひとつひとつ丁寧に手作りしています。

人気商品のひとつ『どら焼き』も、お店で一枚一枚生地を焼き上げています。自慢の自家製あんをたっぷり挟み、まるまるころんとした姿は、まるでドラえもんのマンガから抜け出たよう。つぶあん、オレンジこしあん、黒糖(つぶあん)の定番に、季節の限定品をプラス。オレンジピールと柚子を入れた定番のオレンジこしあんは、爽やかな風味にリピーターも多いそうです。

店頭に並ぶ『豆大福』と『草もち』も、午前中には売り切れてしまうことがあるのだとか。ずっしり入ったあんこは、『豆大福』にはこしあん、『草もち』にはつぶあんを使用。前日までに連絡すれば、こしあんかつぶあんか好みに合わせて選ぶこともできます

季節を訪ねて、定番を求めて、うさぎののれんをくぐる。

季節の風物に由来した期間限定の美味しさも、和菓子ならではの楽しみです。春は桜もち、柏もち、ちまき。夏はわらびもち、あべかわ、ゼリーなど。秋は栗きんとんに栗蒸しようかん、芋きんつば。冬は福井名物水ようかんに、いちご大福…。なかでもいちご大福は、数量限定販売になるほど大人気なので、予約必須です。

また、和菓子だけでなく巻きたてロールやシュークリームなどの洋菓子も並びます。シュークリームは、購入時にその場でクリームを入れる本格派です。うさぎ年にちなんだ『うさぎのしっぽ』という焼き菓子も計画中。店内では、通年でソフトクリームを、夏限定でかき氷を楽しめます。

ほっとひと息つきたいときにぴったりのお菓子が見つかる『うさぎや』。うさぎが描かれた赤い暖簾をくぐるのは、友達同士でやってきた女性客や老夫婦、学生、自転車で来た子どもたち。お話をお伺いしている間も、お目当ての甘味を求めに途切れなくお客さまが訪れていました。

最高の笑顔と“美味しい!”の一言のために 『焼菓子 タケノウチ』

目指すはただひとつ。お客様の“美味しい!”だけ。

2022年1月、「イベント会場でしか買えない大人気の洋菓子屋さんが実店舗をオープンする」と話題になりました。『焼菓子 タケノウチ』は、白い外壁に紫色のポイントが目印の小さなお店です。オーナーの竹内悦子さんは、フレンチレストランやケーキ店での修行やイベント出店などの経験を重ねるうちに膨らんだ「自分のお店を持ちたい」という思いが、やっと形になったと振り返ります。

頭の中は常に焼き菓子のことでいっぱいという竹内さん。「製造から販売まですべて私一人なので、お店がクローズしてる4日間に焼き菓子を作って、オープンしている3日間に販売しながら、果実の加工やケーキ・タルトを焼き上げるという感じですね」と息つく暇もありません。

そんな竹内さんの原動力は、お客様の「美味しい!」という一言に尽きます。「試作を重ねて“これだ!”と思うものが出来るじゃないですか。自分としてはちょっと凝ったことをしていても、全く気付いてもらわなくていいんです。ただただ“美味しい!”と共感してもらえることが、何よりも嬉しい」と言い切ります。
そんな竹内さんの情熱が詰まった焼き菓子は多くのファンを魅了し、週3日のオープン日にはたくさんの笑顔が集まります。

作る人も食べる人も、皆で幸せになりたい。

どれも甲乙つけがたいこだわりを感じる焼き菓子は、常時約20種類。その中の一つが、竹内さんの“原点”です。「ヴィエノワというクッキーが、自分でレシピを作った最初の焼き菓子。本当にシンプルで素朴なんですが、意外とリピーターが多いんですよ」。シンプルなものほど配合が鍵となりますが、ほのかに香る小麦とバターの優しさ、後に残る甘さが絶妙で、癖になるのも納得の味わい。自然と、他の焼き菓子への期待も高まります。

パウンドケーキやフィナンシェ、クッキー、タルト、シフォンケーキなど選びきれないほどの焼き菓子を前に、素材について尋ねると「こだわりはよく聞かれますが、挙げるなら卵ですね。福地鶏の卵の中でも、特に味が濃くて香りが良いものを使っています。あとは私が美味しいと思うものなんですが、自然と地元のものが多くなりますね」と竹内さん。「あわらや坂井には美味しいものがたくさんあって、手にすると“どんなお菓子にしようかな”と楽しくなるんです」と続けます。

素材の味や香りがしっかりと感じられる焼き菓子は、一口ずつ丁寧に食べ進めたくなるものばかり。食べ終わりの充足感までも心地よく楽しめます。

待ち遠しいのは、職人の気まぐれ。

今後は、「作ったことのないお菓子を作りたい」と話す竹内さん。「焼き菓子は伝統菓子が多いけど、その中でも作ったことがないものを作ってみたくて。使ったことのない食材もまだまだ多いので、未体験の製法や素材の組み合わせにチャレンジしていきたいですね」と目を輝かせます。

「すごく気まぐれなので、メニューは思いついた時が作り時。私が食べたいと思うものを作って、美味しいと思うものをお届けしていきます」。

焼き菓子を愛する職人の丁寧な手仕事にハズレはありません。“次の気まぐれ”を定期的に確認したくなる焼き菓子専門店は、大切な方への手土産にも最適な逸品揃いです。

幾重にも層をなす匠の技が放つ美しさ 『成実漆器店』

技術とアイディアで、ニーズを形にする越前漆器。

鯖江市河和田地区は、地域全体で分業体制を築いている全国的にも珍しい漆器の産地。木地師や塗師、蒔絵職人にはじまり、問屋や販売店に至るまで各部門のスペシャリストたちが集まっている、越前漆器の職人技の集積地です。

そんな漆器の産地で3代にわたり“塗り”を専門としてきたのが、昭和9(1934)年創業の「成実漆器店」。現在は、成実嘉宣さんが3代目として技を継いでいます。
「河和田が目指して来たのは美術工芸品としての漆器ではなく、本格的な伝統工芸の技が生きる“使っていただける漆器”づくり。お客様のニーズを形にする方法を、産地一丸となって模索しながらモノづくりに取り組んできた土地なんです」との言葉通り、食洗器や電子レンジにも対応した漆器を開発するなど、技術革新にも前向きに挑んできた産地でもあります。

近年は“モノづくりがしたい、工芸に携わりたい”と全国からの移住者が増え、賑わいを見せている河和田地区。それに伴い、“こういう漆器が欲しいんだけど…”という相談も多くなってきた、と成実さん。
「気付けば、塗師ではなく卸や小売り的な立ち位置でご相談に応えることが多くなっていました。最近はもう、お客様と職人たちを繋ぐ橋渡し役として走り回っていますね」と笑います。「この案件のこの部分はあの人なら形にしてくれるかな、この工程はあの人が適任だな…」と頭を悩ませながら、河和田の活性化に繋げようと奔走を続ける毎日です。

漆器は、日本が誇る世界最高峰のエコ商品。

『成実漆器店』では修理も多く手がけています。「漆器の特徴として、修理が可能で繰り返し使えるということが挙げられます。うちでは補修箇所を漆でコーティングし、磨きをかけて艶を出しながら、高い強度を持たせた美しい金継ぎを施しています。これだと陶器なども修理できるんですよ」と、塗り職人ならではの高度な技を見せてくれました。

実は漆器こそ今の時代に即した世界最高のエコ商品だと成実さんは言います。
「自然のものを素材とした持続可能なモノづくりで生まれて、使い込んだ物にはまた新しい命を吹き込んで蘇らせて。日本人が大切にしてきた“もったいない”という価値観を形にした商品だと思います」。

自然への敬意を忘れず、その恵みを存分に生かした漆器。直して長く使う心にまで美しさが感じられ、まさに日本らしいひと品です。
「漆器は工芸品だけあって、正直安くはありません。しかし技術の結晶ですし、修理もできて半永久的に使える点からも、それだけの価値はあると思っています。食器やカトラリーなど全てとは言いませんが、ポイントで取り入れて心豊かに過ごしていただけたら嬉しいですね」。

おもてなしに、風雅な佇まいを。

成実さんの代表作に、月の満ち欠けを艶やかに描いた5枚シリーズ「胡桃足膳 月の宴」があります。木地から脚の胡桃、塗りの漆、蒔絵の塗料に至るまで、すべて自然のものを使って自然を表現した全国漆器展受賞作です。
また福井県知事賞を受賞した「富士山盛込器揃」は、格調の高さを感じる華やかな作品。どちらも芸術性の高さに魅了される、受注生産品です。

もう少しカジュアルなものから始めたいという方には、ワイングラスがお勧め。仕上げは、木目調・螺鈿・蒔絵の3タイプがありますが、いずれも木地にハンサ(水目桜)やケヤキが使われているため、保温性が高く、口当たりも柔らかいと好評です。

新しいアイディアは、お客様からいただくことが多いと話す成実さん。「こういうのは出来ないの?とか、こんなデザインが欲しいといったご意見から学ぶことは多いです。産地や工芸品を発展させるエネルギーにもなるので、ぜひお聞かせください」と続けます。後世に技術を繋ぐのは、もはや職人の方々だけの使命ではありません。私達が“本当に良いもの”を使い、感性を磨いていくことで、伝統がまた一つ未来に繋がるのだと河和田の越前漆器は教えてくれています。

ヴィーガン&グルテンフリーで心と身体に至福のひととき『blissful.』

こだわりの食材と五味を詰め込んだ『ブッダボウル』。

海にほど近い敦賀の中心街にある、『blissful.』。ヴィーガン認証を受けた本格的なヴィーガンフード&スイーツのテイクアウト専門店です。「身体の中から美しく健康に」をテーマに、素材本来の味や食感、栄養を大切にし、心と身体で美味しいと感じられる「食」を追求しています。

週替わりのランチメニュー『ブッダボウル』は、アメリカ西海岸発のヘルシーな完全菜食丼のようなもの。肉、魚、卵や乳製品、はちみつは一切使わず、グルテンフリーで野菜や穀物、果物、ナッツなどを、バランス良くひとつのボウルに盛り込んでいます。3日間寝かせた『寝かせ発芽玄米ごはん』は、美浜産の減農薬玄米を使用。オーナーの西野絵梨さんは、「できる限り無農薬、減農薬なものや、福井県産の野菜や果物を使うようにしています」とこだわりを語ります。

味付けや調理法はとてもシンプル。不要なものはなるべく入れず、スパイスやハーブ、ナッツなどで多彩な味や食感に仕上げています。「塩味、酸味、苦味、うま味、甘味の五味が全部入るようにしています」と西野さん。自家製のひよこ豆ペースト『フムス』や旬の野菜で彩られたヘルシーな『ブッダボウル』は、女性に大人気。最近は、男性のお客さまも増えているそうです。

素材の持つ風味を引き立てる、日替わりの人気スイーツ。

人気のスイーツも、すべてグルテンフリー。『ロースイーツ』といわれる、48℃以下の調理で熱を入れずに作るスイーツがメインです。小麦粉や米粉、卵や乳製品などの動物性食材はいっさい使わず、生のナッツや果物、ココナッツオイル、野菜などを主原料にしています。また、白砂糖は一切使わず、焼き菓子には甜菜糖やココナッツシュガー、ロースイーツにはメープルシロップやアガベシロップ、デーツシロップなど、精製度が低くかつ栄養素を多く含む天然甘味料を使用しています。

「できるだけ甘さは控えめに、素材の風味を引き立てるよう工夫しています」と西野さん。小麦粉の変わりに、ブッダボウルにも使う美浜産の特別栽培玄米の粉、ホワイトソルガム(白高きびの粉)、オーツ(オートミールの粉)の配合を変えて作った自家製ミックス粉を使用。マフィンやドーナツには、卵の代わりにアマニの粉末を水で練ったものを使うという徹底ぶりです。他にも、酒粕のティラミスには、小浜酒造の酒粕にカシューナッツとココナッツミルクを合わせることで、あっさりとしているのにコクのあるクリーミーな口どけを醸し出しています。

スイーツは日替わりで、新作も続々登場。西野さんは「お菓子を作る自分自身も楽しくないと。それに、なるべくその時期の旬のものを使いたいので、農家さんにどんな果物があるかを聞いて作ることもあります」と笑顔で語ります。スイーツの一番人気は、麻炭が入った『炭スコーン』。真っ黒な見た目のインパクトとは異なる、軽やかな食感と爽やかな味わいに驚かされます。

環境にやさしく、宗教や体質も関係ない、至福のひとときを。

「昔から、美容食や健康食おたくなんです」とほほ笑む西野さん。これまでに野菜ソムリエやローフードマイスター、ナチュラルフードマイスターなど、数多くの資格を保持しています。そんな西野さんが辿り着いたヴィーガンの魅力は、「環境にもやさしいし、動物にもやさしいし、宗教や体質など関係なく、いろんな人みんなで食べられること」と穏やかに語ります。

ショーケースには、ブッダボウルやスイーツの他に、紅茶やハーブティーを発酵させた『コンブチャ』や、オーガニックアーモンドを搾った『自家製アーモンドミルク』などのドリンクも。『ブッダボウル』でお馴染の野菜、地元産のフレッシュなケールも置かれています。

「敦賀にはヴィーガン専門のお弁当を扱うお店がないので、自分で作っているという感じです」と西野さん。「自分が毎日でも食べたいと思うものしか置いていないので、いろんな方に美味しく召し上がっていただけたら」とニッコリ。「至福のひとときをお届けしたい」という願いが込められた店名のように、心も身体も美味しく満たされるこの上ない幸せがここにあります。

形を変える、色合いを変える、趣を変える『竹之助』

何気ない瞬間を、美しい景色に。

越前市東部に位置する味真野地区にある「竹之助」は、福井県内で唯一の竹専門店。竹垣や衝立、駒寄せなどお客様の環境やニーズに合わせた一品を、オーナーの片岡大輔さんが手作りで製作しています。

人々の生活や仕事は、一様ではありません。一口に竹垣と言っても、家や店舗によって求める仕様は各人各様。「例えば目隠しにしても高さや幅、目の粗さなど、必要な形態・形状はシーンによって変わります。だからこそ、お客様との打ち合わせ時間がとても大切なんです」と片岡さん。「単純に隠すだけならトタンでもいい。でもせっかくなら、そこに風情があった方が良いじゃないですか。それを叶えてくれるのが竹なんです。お客様の生活に馴染みながら、ワンランク上の空間に導くことができた時は、本当に嬉しいですね」。

片岡さんは、建築を志し、学んでいく中で竹という素材に出合い魅了された竹垣職人。「竹は”しなり”に強いので、球状に編めるなど材木よりも柔軟な使い方が出来るんですよね。自分の手で一から作れる素材を探していた私にとって、とても面白い素材だと強く惹かれたのが始まりでした」。

日本人の生活や風景に密着している竹だからこそ、出来ることがあるはず。身近な素材の秘めた可能性を追い求め、挑戦を続ける日々です。

日常を彩り、生活の質を上げる。

『竹之助』の名を一躍世に知らしめたのは、竹製スピーカー「i3booo(アイスリーブー)」。iPhone専用で電源不要のこのスピーカーは、3つの竹筒から出来ており、それぞれの角度を調整することで音の向きや反響を変えることができます。「ししおどしや尺八の透き通るような音の響き方に着想を得て製作しました」との言葉通り、音楽ファンをも魅了する響きは耳だけでなく心も満足させてくれます。

ショップには、他にも日常に取り入れやすい竹アイテムが所狭しと並んでいます。例えば一輪挿し。直径の異なる3つの竹の輪がセットになっているこちらは、気分やシーンによって形を大きく組み変えることができ、場の印象を一変することができます。

また壁一面にレイアウトされた箸にもご注目を。竹の種類や加工を変えた種類豊富な箸の中でも、芸術的という言葉がふさわしいのが極細箸。これ程までに細く仕上げてもなお、かなりの強度を保っています。縁起物“松竹梅”にも挙げられる竹は、お祝いの品にも最適。大人用だけでなく、子供用や箸置きもありますので、差のつくプレゼントをお探しの方にもぜひおすすめです。

他にも、名刺入れや印鑑セット、うちわ、積み木のおもちゃ「bance(バンス)」など、大人だからこそ手にしたいアイテムがずらり。ラインナップはオンラインショップでも確認することが出来ますが、店内にはネットでは買えないアイテムもありますので、気になる方はぜひお店へ足を運んでみて。オーナーやスタッフとの気軽な会話も心地よく、迷う時間も楽しいです。

福井の生活に溶け込む“竹屋”を目指して。

将来的に、水道屋さんのような存在になりたいと話す片岡さん。「水道屋のように、絶対にいてくれないと困る存在になりたいと思っているんです。日常の“ちょっと困ったこと” があったらすぐに相談してもらえて、解決法を提案できる“竹屋”になりたい」と笑います。

約600種類あるものの、加工に適している種類はごくわずかだという竹。「竹は時間とともに色が変わっていきますが、その経年変化も魅力の一つです。屋外と屋内では使い方・魅せ方が全く変わってくるので、お客様ととことん話し合って“何を望まれているのか”をしっかりと理解し、想像力をフル稼働させて目指す空間を一緒に作りあげていくことを楽しみたいです」。

自然素材だからこそ醸し出せる風合いと共に月日を重ねる。“大人に似合うライフスタイル”を提案してくれるお店です。

心が潤う港町絶景プチホテル『敦賀さざなみリゾートちょうべい』

潮風に吹かれながら、遥か彼方まで続く水平線を独り占め。

開放感がたまらない絶景を宿のどこからでも楽しめる『ちょうべい』は、敦賀湾沿い随一の眺望が自慢の小さなお宿。「旅の目的や宿に求めるものは、人や状況によって都度変わる」との思いから、食事付きの宿泊はもちろん、素泊まり、食事のみ、お風呂のみなど柔軟な利用に対応しています。

手入れの行き届いた個性的なお部屋は、6タイプ全8室。中でも2つの特別和洋室は、敦賀旅を存分に味わい尽くしたい人にはうってつけです。海辺の船小屋をモチーフにした「光の間」は、実際に使われていた漁具がオーナメントとしてあしらわれた和モダンスタイル。名子集落の今昔が融合した贅沢な空間となっています。一方の「虹の間」は、“鉄道と港のまち敦賀”を表現したホテルのような一室。欧亜国際連絡列車や客船のキャビンを彷彿とさせるシックでモダンなインテリアたちが、ワンランク上へのステイへと導いてくれます。

「民宿というと宿泊人数を伝えて宿側がお部屋をあてがうのが一般的ですが、当館は個性的なお部屋が多いので、お客様自身にお選びいただいています」と話すのは女将の山本敬子さん。目的やスタイルに合わせた一室で、思い思いに過ごすことができます。

敦賀さざなみリゾートちょうべい

生け簀は目の前の敦賀湾!獲れたてを存分に。

旅の醍醐味でもある食事。こちらでは、敦賀の海の幸をふんだんに使った料理をメインに楽しむことが出来ます。おすすめは何といっても「炭火焼懐石」。炭火を使って焼き上げる海の幸は味も香りも格別。敦賀真鯛や若狭牛など地元が誇る食材を、お造りや陶板焼き、釜めしでも味わうことができる、大満足なコースです。「特に敦賀真鯛は、目の前の敦賀湾で育てられた県内最高ランクの真鯛。生産者の顔はもちろん、育てられた環境まで感じていただける最上級の安心安全食材です」と女将さんも胸を張ります。

また女性人気が高いのは、8種のおかず全てが発酵に関わっていて、50品目以上の食材が一度に味わえる「発酵食ご膳」。中でも漬けるのに最低1年はかかるへしこは、女将のライフワークともなっています。白飯とも日本酒とも相性抜群の自家製へしこは買い求めることもできますので、旅のお土産にもおすすめです。

ビーチリゾートを満喫したいという方には、海辺のテラス席(4月下旬~11月上旬)での海鮮BBQが一押しです。潮風を感じながら味わう炭火焼きは、至福そのもの。「手ぶらで来ていただいて、さざ波の音をBGMにゆったり流れる敦賀時間をお楽しみください。海を間近に眺めながらの食事は最高ですよ!」と女将が太鼓判を押すのも納得です。
ちなみに、こちらのお食事はすべて完全予約制となっています。お越しの際はご予約をお忘れなく。

雄大な自然でマインドリセット。

市街地から車で10分程の距離ということもあり、敦賀観光の拠点としてだけでなく、アウトドアへの足掛かりとして利用される方も多いそうです。釣りやサップなどマリンアクティビティをはじめ、西方ケ岳や蠑螺が岳へのトレッキング、ビーチコーミングなど楽しみ方は自分次第。マリンアクティビティは道具を貸し出しているものもありますので、気になる方はお気軽にお尋ねください。

せっかく日常から離れるのだから『ちょうべい』でのステイは、とことん寛いでほしいと話す女将さん。「“私ってこんなことも楽しめたんだ”とか“あ、もっとゆっくり過ごせば良いんだ”というような発見があるのは、旅に出ると、いつもとは違うところにチャンネルが合うからだと思うんです。自分のペースを取り戻したり、リセットできたり。ここがそんな場になればと考えていますので、とにかくのんびり過ごしていただきたいですね」。忙しい日常で溜まってしまった思考の澱を、穏やかなさざ波の音で洗い流す。そんな贅沢なひと時を、ぜひこの場所で体験してみては。

特別な時間が流れるオーセンティックバー『THE BAR 灯火』

福井をもっと知りたくなる、日常と旅を彩る大人の空間。

JR福井駅から徒歩1分。細い階段を上り重厚な扉を開くと、そこは静かな音楽が流れるオーセンティックバー。高級ホテルのラウンジのような気品ある空間で、バーテンダーがその日の気分にあわせたお酒で特別な時間を約束してくれます。

ラグジュアリーな店内には、「福井らしいバーをつくりたい」というこだわりが込められています。壁には、福井城址の石垣に使われる笏谷石と福井の伝統工芸品である越前和紙を使用。越前漆器の沈金の技で描かれたモダンなオブジェが、上質なアクセントになっています。また、喫煙室として設けた中庭は、まるで美しいウィンドウディスプレイのように華やかな存在感を放っています。

県外から来られたお客さまに、福井の観光案内をすることもあるというオーナーバーテンダーの松浦さん。「お客さまのお話をお聞きするバーテンダーは、いろんな情報を知っています。地元のことをもっと深く知れる場所は、実はバーなのかなと思います」。地元の人は改めて福井の良さを実感し、県外の人は福井への興味がより湧いてくる、日常と旅を彩る大人の空間です。

人気のフルーツカクテルも、幻のスコッチウイスキーも。

『THE BAR 灯火』の一番人気は、フルーツカクテルです。旬にこだわり、市場にあまり出回らないような珍しいフルーツも取り寄せています。例えば、秋には陽豊柿という糖度20度を超える品種を使い、濃密な甘さを引き立てる鮮やかなカクテルをご提案。「季節のフレッシュなものを使うので、フルーツの香りと味わいを楽しんでもらえるように仕上げています」と松浦さん。

豊富なウイスキーも魅力のひとつ。「幻の酒」と呼ばれる本場スコットランドの閉鎖してしまったウイスキー蒸留所から、日本の新しい蒸留所のものまで取り揃えています。気になる料金はボトル裏に明示されていて、気兼ねなく飲むことが。裏メニュー的な日本酒は、福井の地酒をセレクト。格別なブランデーも、ひっそり出番を待っています。

お客さまは県外客から地元の方まで、世代も20〜60代と幅広いそう。最近は、インスタを見て訪れる女性客も増えています。「コロナ禍で家飲みが増えた中、外へ飲みに行くのは特別な時間。上質な空間で本当に美味しいものを飲む、贅沢なひとときを愉しんでいただきたいですね」。

バーテンダーとの会話から生まれる、自分だけの特別な一杯。

松浦さんは名古屋と福井の老舗バーで合わせて12年間修業を積み、2021年、福井駅前に『THE BAR 灯火』をオープンしました。「駅前はバーがあまりなく、県外から来てホテルに泊まられたお客さまがもう1件バーに行こうとするとき選択肢が少なかった。駅前再開発のタイミングもあり、これから新しく変わっていく中で、地域貢献としても何かできたらいいなという気持ちがありました」と語ります。

バックバーに並ぶのは、ウイスキーやブランデー、ジン、ラム、テキーラ、リキュールなど。冷蔵庫に保管されているお酒も合わせると全部で約900種類あり、ウイスキーは国内外あわせて約400種類と充実しています。

メニューはなく、オーダーはお客さまと会話を交わし、おすすめをご提案するスタイル。「メニューにすべてはのせられないし、お客さまが自分のわかるお酒しか頼まなくなりがちです。〝アルコール軽めで甘めなカクテル〟、〝口当たりのすっきりしたもの〟など、どういったものがお好みかを言ってもらえましたら、その時の気分や体調にあわせたカクテルを作らせていただきます。ウイスキーであれば、ボトルを何本かお見せしてお選びいただいています」と松浦さん。特別感のある一杯で、自分へのご褒美時間をゆっくり楽しんで。

竹ならではの風合いを楽しむ 竹紙漉き体験

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「くるま椅子劇場」の竹林の美しさで知られる「若州一滴文庫」にて、竹を使った手漉きの竹紙づくり体験。
環境保全の観点からも近年注目されている竹紙。和紙とはまた違う独特の風合いや手触りを感じながら、手漉きでオリジナルの竹紙をつくってみよう。
完成品は文字や絵を描いたりと普通の紙として、またインテリアとして使うのもおすすめ。

『若州一滴文庫』についての記事はこちらから。

おすすめポイント

竹ならではのやさしい風合い

竹紙は、紙の表面に竹の繊維が表れた独特の美しさが特徴。通常の和紙とはまた違った、竹ならではのあたたかみのある風合いが楽しめる。竹紙の歴史について学びながら、竹で紙を漉くというレアな体験ができる。完成品は後日郵送にてお届け。

一連の細かな作業のうち、紙漉き部分以外もトライできる

若竹の頃に切り出した竹を使用し、煮炊き後にたたいて取り出した繊維を使って紙を漉いてから、天日干し後にプレスをかけるという一連の作業のうち、紙を漉く部分を実際に体験できる。希望により追加で他の工程部分も体験が可能。

若州一滴文庫

「若州一滴文庫」を多彩に楽しもう

体験場所がある「若州一滴文庫」には、図書室やギャラリーのある「本館」や写真に収めたくなる「くるま椅子劇場」の他に、「竹人形館」「藁葺館」「六角堂」と楽しめるスポットが点在。季節ごとに楽しめるお庭の眺めとともにぜひ楽しんで。※若州一滴文庫の入館料は別料金となります。

贈り物にもおすすめ“オリジナルドロップルーペ”作り

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めがねのまち鯖江で、日本唯一のサングラスレンズ専用メーカー・乾レンズが運営する複合施設『レンズパーク』にて、オリジナルのドロップルーペ作り体験。
店内でも販売されているペンダントタイプのルーペは、「老眼と気づかれないお洒落なルーペが欲しい」という声から生まれた人気商品で、お買い物の際にちょっと見えにくい文字を見るのに便利なアイテム。
持ち運びしやすく、アクセサリー感覚で身につけられるドロップルーペを自分だけのオリジナルで作れる。

『レンズパーク』についての記事はこちらから。

おすすめポイント

2種類のレンズから選べる

ルーペは、光学用球面プラスチックレンズに凹面特殊コートが施され、雫をモチーフにしたドロップ型と、ダイヤ型の2種類から選べる。
スタイリッシュなデザインながら、文字が見えやすい約2倍の拡大率で、デザインと機能性を兼ね添えた実用的なアイテムに。

自分なりのオリジナリティーで作れる

お好みで、スウェード調の紐とアクセントになる色とりどりのとんぼを選べる。
持つ人の雰囲気に合わせて、普段使いしやすいデザインから、ファッションのアクセントになるデザインまで、世界にひとつだけのオリジナルのドロップルーペが作れる。

さりげなく見につけられるシンプルなデザイン

光のあたり方でキラキラと色が変わるアクセサリーのようなルーペは、自分用としてはもちろん、大切な人への贈り物にも。
デザインやカラーが異なるものを複数作ったり、気分や服装に合わせて身につけてみるのもおすすめ。

自由な発想で描く“らくがきサングラス”作り

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めがねのまち鯖江で、日本唯一のサングラスレンズ専用メーカー・乾レンズが運営する複合施設『レンズパーク』にて、お子様向けの「らくがきサングラス作り体験」。
紙製のめがねフレームに、お好みのレンズを入れて、世界にひとつだけのオリジナルのサングラスづくり。大人がショップ内で商品を選んでいる時間を使って、お子様が気軽に楽しめる体験。

『レンズパーク』についての記事はこちらから。

おすすめポイント

好きなカラーレンズが選べる

使用するのは本物の光学用レンズ。
豊富なカラーバリエーションの中から好きなレンズが選べる。
はじめに、めがねフレームに描きたいデザインをイメージしておくと、レンズ選びもスムーズ。

小さなお子様もらくがき感覚で自由にデザイン

紙製のめがねフレームに、クレヨンを使って色や絵を描いたり、カラフルなシールを貼ったりと、自由な発想でデザイン。
スタッフが丁寧に作り方を教えてくれるので、小さなお子様でも気軽に参加可能。

完成品は実際に使用可能。自分で作ったサングラスは旅の思い出にも。

完成したサングラスは実際に着用することも可能。
世界にひとつだけのオリジナルのサングラスは、自慢したくなるアイテム。
作って楽しいアイテムを、ぜひ旅の思い出の一品に。

本格サングラスレンズでオリジナルグッズ作り

めがねのまち鯖江で、日本唯一のサングラスレンズ専用メーカー・乾レンズが運営する複合施設『レンズパーク』。
本格的なサングラスレンズを使ったオリジナルグッズ作り体験では、種類豊富なレンズ選びに始まり、バラエティーに富んだアイテムを使って自分だけのオリジナルアイテムが作れる。
実際のレンズを見て、触れて、知ることができるレンズメーカーならではのワークショップは、子供にも大人にもおすすめ。

『レンズパーク』についての記事はこちらから。

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おすすめポイント

種類豊富なサングラスレンズから選べる

まずは、さまざまな形や色のレンズの中から、好みのものを選ぶところから。
創造力が掻き立てられる豊富なバリエーションは、レンズに関わる商品を企画・製造販売しているレンズメーカーならでは。
チェーンやカラーひもで、キーホルダーやアクセサリーを作れる。

自由な発想でオリジナルアイテムが作れる

種類豊富なテープやシール、カラーペンなどから、好きなものを思い思いに選んで、自由な組み合わせでオリジナルアイテムが完成。
アルファベットシールでお子様の名前のキーホルダーにしたり、推し色のレンズを選び“推し活”仕様にするなど、大人も楽しめる内容。

「待つ時間」を「楽しむ時間」に

大人がショップ内で商品を選んでいる時間を使って、お子様が簡単に楽しめるのも嬉しいポイント。
体験のあとは、併設されたカフェでソフトクリームやドリンクをいただきながら、ほっと一息ついてみては。

デザイン初心者にも安心の越前漆器「絵付け体験」

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1500年の歴史を持ち、レストランなどの業務用漆器の製造で全国の80%を超えるシェアを誇る越前漆器。鯖江市河和田の『うるしの里会館』にて、プロの職人による丁寧な指導のもと、漆器の代表的な加飾技法である“絵付け”を体験。
数種類のアイテムから好きなものを選んで好みのデザインで絵付けができる。

『うるしの里会館』についての記事はこちらから。

おすすめポイント

好みのアイテムを選んで絵付けができる

お椀、写真立て、小判盆、手鏡、プチ手鏡の中から好きなものを選べる。
描きたい絵柄は、体験素材寸法に合わせて事前に準備しておくとよりスムーズ。

漆かぶれになりにくい塗料を使用

漆に最も近似した「カシュー塗料」を使用。本漆とほぼ同等の性能、質感を持ち、アレルギー反応が出にくいので安心して体験ができる。
2色以上の塗料を混ぜ合わせて色を作ることも可能。

デザインに自信のない方でも安心

約6種類の絵型が用意されているので、デザインに自信のない方でも安心して体験ができる。絵のほかに、文字や模様を描くのもおすすめ。
完成した作品はその場で持ち帰りが可能。

木目の美しさを活かして漆を塗る「拭き漆体験」

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鯖江市河和田で越前漆器の歴史や技術を紹介する『うるしの里会館』にて、プロの漆器職人から教わる「拭き漆体験」。
拭き漆は、お箸やお椀などの木地に、漆を塗り拭きとる作業を繰り返しツヤを出す漆器の技法。木目が残るスタイリッシュな出来上がりが特徴。
1回の拭き漆から、乾いた後に再度訪問して3回まで体験が可能。再度訪問ができない場合は、職人さんが仕上げまで行ってくれる。完成品は後日お渡しまたは郵送。
自分で塗った器を、ぜひお土産や贈り物にしてみては。

『うるしの里会館』についての記事はこちらから。

おすすめポイント

日常使いしやすい拭き漆の漆器

拭き漆とはお箸やお椀などの木地に、生漆を摺り込んでは拭き取る作業を繰り返して艶を出す、漆塗りの技法のこと。拭き漆の漆器は、普段の食卓や現代のインテリアにもマッチし、ライフスタイルやシーンを問わず取り入れやすい。

木地の木目にこだわって選ぶ

木地はケヤキのお椀・丸盆から選べる。木目を活かした仕上がりが特徴の拭き漆は、ひとつひとつ異なる木地の年輪が個性になるので、自分が気に入った木目のものを選ぶのがおすすめ。

 

深みのある色と艶が楽しめる

木地が決まれば、やすりを使って全体を削った後、生漆をすり込むように塗っていく。木地全体に漆が塗られたら、専用の紙で余分な漆を拭き取って1回目が完成。拭き漆を計5回行った完成品では、木地に深みのある色と艶が楽しめる。

越前漆器の里でプロの職人から教わる「沈金体験」

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1500年以上の歴史を持つ越前漆器の生産地・鯖江市河和田にある「うるしの里会館」にて、プロの漆器職人から教わる「沈金(ちんきん)体験」。
お皿や手鏡などから好きなアイテムを選び、沈金刀で好きな模様を彫り、漆で金粉を定着させて完成。全ての工程を丁寧に教わりながら体験できるので初心者でも安心して体験できる。
完成品は当日お持ち帰り可能。自分用にお土産として、また贈り物にもおすすめ。

『うるしの里会館』についての記事はこちらから。

おすすめポイント

プロの漆器職人が丁寧に教えてくれるので初心者でも気軽に体験できる

熟練の漆器職人が沈金刀の持ち方や絵の掘り方まで、丁寧に教えてくれる。実際の道具を使用し、「沈金」の工程を体験しながら知ることができる貴重な体験。
練習板で彫る練習ができたり、漆を塗るところや金粉をつける作業は職人が仕上げてくれるので、初心者でも気軽に体験できる。

絵柄は自由。用意された絵型から選んでもOK

用意された絵型から好きな絵柄を選べる。作りたい絵柄があれば、事前に下書きを用意したり、その場で考えて自由に好きな絵柄を掘ってオリジナル作品が作れる。
絵型の紙をあててカーボン紙で絵を転写してから彫るので、初めてでも安心。

金色に輝く自分だけのオリジナル漆器をお土産に

数種類のお皿や手鏡などの漆器から好きなものを選び、好きな絵柄が金粉で装飾された、自分だけのオリジナルアイテムが作れる。
自分で彫った絵が金色の美しい装飾になる一品は、自分へのお土産や贈り物にもおすすめ。

“石田縞”織物に触れる本格手織り体験

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福井は古代より絹織物の生産が盛んであり、明治時代には羽二重織物、その後は人絹や合成繊維と、生産品目を変えながら日本有数の繊維産地として発展。
江戸時代に生まれた“石田縞(いしだじま)”織物は、鯖江市の指定無形文化財でもあり、福井県の郷土工芸品として指定されている。
鯖江市繊維協会内の「石田縞手織りセンター」では、“石田縞”織物の文化や歴史に触れながら、本格的な足踏み式手織り機を使ったコースター作り体験ができる。

おすすめポイント

綿の糸で織る縞模様の織物“石田縞”

鯖江市の繊維産業のルーツである伝統織り“石田縞”。
大正時代まで広く親しまれ、昭和に入り機械織りなどの普及によって衰退し『幻の織物』と言われていたが、近年数人の作家によって復元し受け継がれている。
こちらでは石田縞の歴史や織り方も知ることができる。

手織り気分を味わえるオリジナルコースター作り

昔ながらの足踏み式手織り機にあらかじめセットされた色とりどりの経糸に、お好きな緯糸のリボンを通して編み上げていく。石田縞保存会のスタッフが丁寧に教えてくれるので観光の途中でも気軽に体験できる。

“石田縞”織物を使った商品のお買い物も

手織りセンターで織られた石田縞を使用した、名刺入れやアクセサリーなどの様々な小物も作られており、道の駅西山公園や河和田うるしの里会館などで販売中。石田縞の素朴で手織りの優しい風合いをお土産に。

老舗酒屋の女将から学ぶ発酵スキンケア作り体験

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近年注目されている発酵成分が入った、ナチュラルで使い心地の良いスキンケア作り体験。
栄養価が高く、健康や美容に良い効果が期待できると言われている酒粕や糀を使った活用法を老舗酒屋の女将から学ぶ。作ったスキンケアは、自宅での使い方や保存方法まで丁寧に教えてくれる。
『久保田酒店』についての記事はこちらから。

おすすめポイント

選べる体験内容

酒粕石鹸・酒粕パック・糀化粧水の中から2種類を選んで体験ができる。その他にも発酵成分を使ったスキンケアを準備中。体験内容によっては、お気に入りのアロマオイルを持参して香り付けもできるので、申し込みの際に相談してみて。

自分だけのスキンケア作り

スキンケアが合うか、その場でパッチテストも可能。肌に合えば自宅でも手軽に材料を揃えて作れるため、自分で手作りする楽しみを味わえる。アレンジ方法も学んで、オリジナルのスキンケアを作ってみるのもおすすめ。

酒粕や糀を身近なものに

フードコーディネーターの資格を持つ女将が、酒粕を使った料理やスイーツなどの作り方や楽しみ方についても教えてくれる。スキンケア作りのみならず、酒粕や糀の使い方や効能を学び、発酵の良さを再認識することで、健康と美容を意識した生活について考えるきっかけにも。

老舗酒屋で福井の地酒3種をテイスティング

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鯖江市に100年以上続く老舗酒屋、『久保田酒店』は地酒専門店として福井の美味しい地酒を紹介・販売している。店内では地元鯖江の「梵」をはじめ、「黒龍」「白岳仙」「常山」などの銘酒を取り揃えており、福井の地酒を気軽に味わうことができる。
『久保田酒店』についての記事はこちらから。

おすすめポイント

バーカウンターで気軽に

店内には落ち着いた雰囲気の立ち飲み専用バーカウンターが設けられていて、季節の限定酒を含め3〜4種類の日本酒をテイスティング。店主おすすめのおつまみと一緒にいただける。

地酒を通じて、福井の文化や風土を知る

日本酒の味わいだけでなく、蔵元の思いや酒米を育む田んぼや里山の風景など、様々な要素を交えた話を聞いてみるのもおすすめ。テイスティングを通じて、その土地の風土や文化などを知ることで、日本酒をより深く理解できる。

器と日本酒のマリアージュを楽しむ

好みの器を選んでのテイスティングも可能。越前漆器や越前焼など、地元ならではの器を使うことで、酒器の素材や形状、厚みの違いが、それぞれの日本酒の良さをより引き立ててくれる。

大人だけが知る、福井の善しこと『ESHIKOTO』

目指すは、福井の良いものと笑顔が集まる日本酒ドメーヌ。

2022年6月に誕生した『ESHIKOTO(えしこと)』は、黒龍酒造を擁する石田屋二左衛門が手掛ける “大人のため”のスポット。20歳以上だけが入場可能な、お酒と食を起点とした福井を楽しむための複合施設です。

始まりは、8代目水野直人社長がワインの名醸地で見た光景でした。ブドウ畑しかないような田舎のワイナリーに世界中からたくさんの人々が訪れ、雄大な自然に抱かれながらワインとその土地の食を笑顔で楽しんでいたのです。「日本の酒蔵だと歴史ある建物を見せて終わりということが多くて、お酒にまつわるストーリーが見えづらいんですよね。そこで“福井の豊かな自然を感じながら、お酒を楽しんでいただく場所を作りたい”との思いが膨らみ始め、10年の歳月をかけて構想を形にしました」と、石田屋の水野真悠さんは振り返ります。しかしその10年は、敷地の選定から建材、ディスプレイ、商品に至るまで、徹底的に“福井”にこだわり抜くには必要な時間でもありました。

「ESHIKOTO」は「善(え)しこと」。福井の良いこと・ものを発信するだけでなく、福井にとって良いことをしていこうという思いが込められたこの場所は、逆さ読みすると「永(とこしえ)」となり、永遠・永久を示唆すると同時に永平寺を連想させるという含みも持たせています。
福井の人が福井の素晴らしさを再発見し、県外の人に福井を自慢できるスポットになるように。日本の・福井の原風景ともいえる豊かな自然が守られてきた永平寺だからこそ誕生した、大人しか体験できないアミューズが詰まった場所です。

伝統を守り、磨き上げ、未来に繋ぐ。

昔、黒龍川と呼ばれていた九頭竜川。黒龍酒造にとっては名前の由来であり、その地下水で今に続くまで酒造りを行っている恵みの川です。「九頭竜川を一望できるここで、私たちのお酒を発信していくことはもちろんですが、それ以上に福井の食や伝統工芸を発信していきたいと考えています」と真悠さん。日本酒をはじめ、越前漆器や越前焼、越前打刃物、越前箪笥など伝統工芸が今なお生活に密着している福井。それらの技術や文化が後世に継承されていくためには、消費者の目に触れやすいアクセスポイントが不可欠であり、ここはその役割を担うことも目指しているのです。

約3万坪に及ぶESHIKOTOの敷地。私たちが気軽に訪れることが出来るのは、その広大な敷地の一角にある「酒樂棟」です。レストラン「Apéro & Pâtisserie acoya」と酒ショップ「石田屋」が入る酒樂棟で、五感をフル稼働させながら福井を多面的に堪能する時間はまさに至福そのもの。今後はさらに飲食店を増やすほか、オーベルジュなどの計画も進められる予定です。
伝統的な福井から、福井を表現した食まで。足を運んだ人だけが知る“福井の真の魅力”が、ここには詰まっています。

世界に羽ばたく新しい日本酒の発信源に。

黒龍酒造の新たな旗艦店としてオープンした「石田屋ESHIKOTO店」。ここでは常時15種類程の銘柄を揃えていますが、なんと半分はここに来なければ買えない銘柄というから驚きです。
中でも力を入れているのは、世界も注目しているスパークリング日本酒「awa酒」。「スパークリング日本酒は甘口のものが多いですが、当蔵のものはしっかりドライな飲み口に仕上がっています。これは15ヶ月以上瓶内二次発酵させ、糖分をしっかり分解させているから。新しい日本酒として、ぜひお試しいただきたいです」と真悠さんも自信を覗かせます。

このawa酒、グラスに注いで美しい泡を愛でることから楽しみが始まります。キメが細かく持続性の高い泡は、つい見惚れてしまうほど。米の旨味をしっかりと感じるキリリとした飲み口は、和食にはもちろん洋食にも驚くほど合わせやすい仕上がりになっています。多様なシーンでの活躍が期待でき、固定観念にとらわれない食とのマリアージュを楽しみたくなること間違いなしです。
「でもスパークリング日本酒には馴染みがなくて……」という方は、まずは店内のバーカウンターでの試飲(有料)からお試しを。お勧め3種類の飲み比べで、今後の人気の高まりを予感させるawa酒も確かめることができますので、ぜひどうぞ。

店内では酒器や片口など、お酒にまつわるアイテムの取り扱いも。ディスプレイには黒龍酒造のロゴが刻まれた越前箪笥が使われるなど、伝統と技術の調和が心地よい空間になっています。店内や敷地内には、他にも多くの“made in 福井”が散りばめられていますので、ぜひ自然の恵みと技術の折り重なりをお楽しみください。
味わうことだけが日本酒を楽しむことではない、と背景まで感じさせてくれる『ESHIKOTO』。まさに“ストーリー”を感じるスポットです。

シャボン染め和紙体験と六角木箱づくり

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約1500年の歴史を受け継ぐ、越前和紙の里にある手漉き和紙工房『栁瀬良三製紙所』にて、シャボン液を使って染めた和紙を、家具職人が手作業で作った底板に貼り、六角形の木箱を完成させる体験。
シャボン染め和紙は、手漉きの和紙にシャボン液を使って染めることで、独特の柔らかな色合いが出るのが特徴。木箱部分は越前市の家具職人『ファニチャーホリック』にて丁寧な手作業で作られたもの。和紙の柄や色、六角形の木箱の素材や手触りなど、様々な要素が組み合わさり、自分だけの個性的な作品になる。和紙や木箱の美しさを感じながら、心温まる体験。完成した木箱はどちらかを蓋部分にして重ねたり、それぞれを2つの小物入れとしても使える。

『栁瀬良三製紙所』の記事はこちらから。
『ファニチャーホリック』の記事はこちらから。

おすすめポイント

独特の柔らかな風合いが魅力的

シャボン液を使って和紙に色付けをすることで、独特の柔らかな色合いが出るのが特徴。和紙の細かな繊維感に色が反応し、他の染色方法では表現できない魅力的な色の表情を作ることができる。

初心者でも手軽に楽しめる

シャボン液を使う染め体験は、とても簡単な手順なので初めてでも気軽に体験できる。和紙に触れながら、1人での参加はもちろん、親子や友人同士で楽しみながら体験するのもおすすめ。

自分だけの個性的な作品が作れる

和紙に色を付ける範囲や、シャボン液の泡の大きさ、色の種類や濃さなど、様々な要素が自由に組み合わさることでオリジナル性の高い作品を作ることができ、自分だけのアイテムができる。シャボン染めが終わったら、箱の底に貼る切り取り箇所を決めるのも楽しい。

和紙

老舗の和紙工房ならではの体験もできる

伝統工芸士がいる老舗の手漉き和紙工房ならではの、手漉きの和紙工房の見学(平日のみ)や、手漉き和紙体験も同時にできる。
手漉き和紙体験についての詳細はこちらから。
※手漉き和紙体験は、1週間前までに要予約。
※体験者は無料で工房見学が可能。

知るほど深まる味わいに、心をも満たされる『Apéro & Pâtisserie acoya』

食事とスイーツ、同じ“食”でありながら異なる魅力を。

ESHIKOTO酒樂棟にある、レストラン「Apéro & Pâtisserie acoya(アペロ&パティスリー アコヤ)」。九頭竜川の雄大な流れと、刻一刻と移ろいゆく雄大な自然に抱かれながら、“福井”を凝縮させた空間とフレンチを楽しむことができるレストランです。
越前和紙が表現する黒と白を繋ぐグラデーションが印象的な店内には、軽い食事が楽しめるアペロサイドとスイーツを楽しむパティスリーサイドがあり、どちらからでも入店が可能。それぞれのカウンターで注文を済ませ、席で待つスタイルです。

このレストランは、アペロとパティスリーという“全く異なる二つの顔を持っている”ことからacoyaと名付けられました。これは歌舞伎の演目「阿古屋」に由来しています。福井出身である近松門左衛門作の浄瑠璃が原型となっているこの演目の主人公・阿古屋姫の、どんな男性でも魅了してしまう美しさと、戦場で見せる鬼の形相という二面性を、料理の多面性に重ねています。
ではなぜ今「阿古屋」なのか。それは、この永平寺に彼女が眠っていると伝わるからです。「地元の人にもほとんど知られていない永平寺にまつわる歴史に、興味を持ってもらう入口になれたら」。acoyaには、そんな思いも込められています。

福井という土地が育んできた味わいを最大限に。

フランス料理が大切にしているテロワール(風土性)という考え方。それは、曹洞宗大本山永平寺で大切にされている禅にも通じるものがあります。竹内賢太郎シェフの「福井が育んだ素材を最大限に生かし、福井の地だからこそお出しできる料理をお楽しみいただきたい」という思いは、本場で習得した技術や知識があり、ここ永平寺で発揮されるからこそ大きな意味を持つと言えるでしょう。

ランチでは、福井県産のお米を土鍋で炊いたご飯とともに、福井の季節を感じる旬菜、黒龍酒造の吟醸酒粕を飼料に育てられた「黒龍吟醸豚」をはじめとする肉料理などが味わえます。
また、朝膳(土日祝日限定)で提供されるお味噌汁は、へしこのアラで出汁を引いており、あっさりとしながらもコクのある味わいとなっています。
食材はもちろん、調味料や出汁に至るまで福井を凝縮させることにこだわり抜いた一膳、ぜひ隅々までご堪能ください。

また、10~16時限定で黒龍酒造のお酒と合わせることもできます。お料理だけでも美味しいですが、お酒とのマリアージュで旨味が一層増幅していくのを感じるのは、まさに悦楽のひと時。配膳の際に説明される料理との相性を参考に、自分好みのペアリングを楽しみましょう。

心と体を解きほぐす、ナチュラルな大人パフェ。

予約しての訪問がお勧めというほど人気が高いのが、パティスリーのパフェ。福井県産の旬の食材を使った季節のパフェは大満足の質とボリュームで、これを目当てに来る女性が後を絶ちません。
パティシエールの岡田麻波さんが目指すのは、季節の移ろいと福井が詰まった味わい。「自然を感じながら食べていただくので、味も仕上がりもナチュラルになるようにしています。景色と相まって、自然に溶け込むようなゆったりした大人の時間を演出できれば」と、常に構成やバランスに心を砕いています。

カフェタイムには、他にも大吟醸ソフトクリームやパウンドケーキなどもご用意。「ケーキはテイクアウトもできますが、食後やカフェタイムにカットでお出しすることもできますので、お気軽にお尋ねください」。時には気まぐれに焼かれたタルトなどがサプライズで登場することもあるので、SNSでのお知らせも要チェックです。
今後は福井らしいお菓子を手掛けたいという岡田さん。「県外への手土産に“これが福井のお菓子だよ”と持って行ってもらえるようなものを目指したい」と意気込みを新たにします。いつも心地よく私たちの期待を超えてくれる岡田さんのスイーツから、まだまだ目が離せません。

日常のひとコマを心地よくアップグレード。

カトラリーや木製トレー、越前焼の皿など、使われている食器類はすべて福井の職人達によって作られたacoyaのための逸品ばかり。ここで感じる心地よい統一感は、職人達にお店に足を運んでもらい、雰囲気やコンセプトへの理解が得られたうえで製作を依頼しているからこそ生まれています。床に敷き詰められた笏谷石や壁を彩る越前和紙、悠久の時を感じさせる美山杉の一枚板テーブルなどとの調和もまた見事の一言に尽き、満ち足りた穏やかな空気感も納得しかありません。

大人のためのスポットと聞いてドレスコードを気にする方もいるようですが、岡田さんは「近所のカフェに行くように気軽に立ち寄っていただければ。定期的に同じ時間に来られてお仕事されている方もいらっしゃいますし、そういう“生活に馴染む場所”になれたら嬉しいですね」とニコリ。
県内の方には生活の一部分に、県外の方には福井の自然の雄大さを伝えられる場所に。“日常”と“特別”が不思議な融合を見せるレストランは、足を運んだ人だけが魅力を知ることが出来る魅惑のレストランです。